本研究では、日本近海における洋上風力発電など浮体構造物の係留基礎へのサクションアンカーの適用を念頭に、比較的大きなスケールの地盤挙動を模擬するのに有利な遠心模型実験を通して砂質地盤における把駐力(引抜き抵抗)特性を調べるとともに、把駐力評価方法について検討した。その結果、係留策のアンカーへの連結位置や牽引方向などが把駐力に及ぼす影響について知見を得るとともに、既往の水圧変動効果を考慮しない評価法による把駐力計算値は急速牽引の実験値に対し1/2~1/3と過小評価する結果となった。一方実測の水圧変動を取り入れた鉛直引抜抵抗評価式によると、実測値と概ね合致する結果を得た。
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