研究実績の概要 |
1)河川において,出水時に懸濁態無機リン(PIP: Particulate Inorganic Phosphorus)の値が増加する結果が 得られた.とくに新川では,詰田川と比較して,大きな増加率となった.今後は,河川毎の特徴や出水時におけるPIP 濃度の変化についてより詳細に調べる必要がある.出水した河川水の挙動を明らかにし,栄養塩としてのリンの形態別特徴について考察を進める必要がある. 2)調整運転によって海域全体の栄養塩類の量が大きく変化するものではないものの,ノリの養殖場所との位置関係や潮流,拡散の状況などによっては,ノリ養殖への栄養塩類の供給を改善できる可能性もあり,また,ノリが摂取しやすい溶存態の形態であることから,海域における水質変化や河川からの負荷量の変動と合わせて,今後,より詳細な調査・解析を行う必要がある. 3)香東川浄化センターでは通常運転時にN/P比は約10であるが,調整運転時には約30まで上昇し,レッドフィールド比(=16)よりも高い値となった.一方,鴨部川浄化センターでは通常運転時にN/P比は約1であったが,調整運転時において約6に上昇した.ただし,レッドフィールド比よりは小さい値が得られた。.
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