研究課題/領域番号 |
24560643
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
塚井 誠人 広島大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (70304409)
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研究分担者 |
桑野 将司 神戸大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (70432680)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 意識調査 / 調査手法 |
研究概要 |
昨年度は,実施計画に従って既往研究のレビューを行うとともに,調査テーマの選定を行い,調査票を設計したうえでWebを用いた調査を実施した.調査内容として,被験者が回答しやすく,住民の興味や関心が比較的高いテーマを模索したところ,地域公共交通政策に関する賛否や意識を問う設問とした.実施したweb調査は,コミュニティ内の交通困難者を他のコミュニティメンバーが扶助するという状況の下で,参加者の共助意識を問う内容とした.なお調査実施に当たり,標本の代表性を確保するため,回答者の居住地に関して条件を付して,都市部の住民のみが抽出されないように留意した.さらに,地域交通の相互扶助について,交通に関する権利を法制化することの是非を問う内容を加えた調査票(政策内容に関するコミュニケーション型設問を含む調査票)と,そのような設問を含まない調査票を作成し,それぞれの回答を比較した.なお前者では,回答内容を強く誘導するような表現ではなく,事実のみを記述するように留意した.その結果,後者の調査票セットと比較して前者の調査票セットの方が,回答者の相互扶助意識がやや高まる傾向が確認できた.またこのような傾向は,交通の権利の法制化そのものに対する賛否とは無関係に得られていた.この結果は,コミュニケーション型調査によって政策の意義に関して回答者が認識できるようになったことを表しており,Web調査形式では同調査形式の有用性が確認できたと考えられる.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
政策に関する賛否意識を問うコミュニケーション型調査として実施した,地域交通のコミュニティにおける相互扶助への賛否に関して,交通に関する権利を法制化することの是非を問う内容を加えた調査票(政策内容に関するコミュニケーション型設問を含む調査票)と,そのような設問を含まない調査票調査票間の回答の違いは,統計的に有意ではなかった.ただし昨年度実施した分析では,回答者が居住する地域の地域特性が,彼らの共助意識に及ぼす影響について十分な検討ができていない.既往研究の分析においても,回答者が日常的に直面している交通の状況が,交通政策に関する意識に影響することが指摘されているため,今後は回答者の居住地に関する情報に基づいて,地域特性に関するデータセットを作成し,これを考慮した分析を行うことにより,地域特性とコミュニケーション型調査(設問)の影響を分離した結果が得られると考えられる.
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今後の研究の推進方策 |
昨年Web調査によって実施した,政策に関する賛否意識を問うコミュニケーション型調査につついて,地域特性とのマッチングを行うことによって,得られた知見の妥当性を高めるように,引き続き分析を行う.なおWeb調査は回答者層が偏る可能性が指摘されており,得られた知見の一般性を高めるためには,従来型の紙面調査による結果との比較が必要と考えられる.そこで本年度は,昨年度と同内容に関する調査を,紙面調査によって実施して,昨年と同様の分析を進めることとする.またWeb調査と紙面調査間の回答者層の違いに関しては,傾向スコア法をによるバイアス修正を行うことによって,データの同質性を確保しつつ,コミュニケーション型調査の効果に関する調査モードの違いを明らかにする.
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次年度の研究費の使用計画 |
当初の実施計画に従って,本年度は紙面調査実施のための費用と,得られた結果を入力し.解析するための人件費を計上する.また,昨年度の調査によって得られた結果を学会において発表するため,論文投稿料ならびに,成果発表旅費を計上する.また結果の分析方針に関する打ち合わせのため,共同研究者との打ち合わせのための旅費を計上する.
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