研究課題/領域番号 |
24560647
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 八戸学院大学 |
研究代表者 |
田村 正文 八戸学院大学, 公私立大学の部局等, 講師 (80449230)
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研究分担者 |
田村 亨 北海道大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (80163690)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 地域計画 |
研究概要 |
平成24年度は、都市・地域計画に関する取り組みなどを重点的に資料収集・分析をはじめとした基礎的データの収集と公共政策に関する基本的なモデルの構築を行った。特に、当該年度においては、平成23年3月に発生した東日本大震災の影響を受け、数多くの学会などでも震災復興が一つのキーワードになっている。そのため、所属している学会等に積極的に参加し、発表や議論に加わることで特に地域における公共計画においてはハード面に加えてより一層ソフト面での整備も、今まで以上に重要であると確信した。 特に、近年では防災に対する地域内での意識が高まっており、このことは先述した学会での報告等でも顕著にみられると思われる。さらには、直接的に東日本大震災における被害はなかったものの、多くの地域において自然災害のリスク管理の意識が高まっているといえる。そのような中において、地域の望ましい制度設計のあり方について、メカニズム・デザインの手法を取り入れ、特に我が国の交通制度に関する基礎的なモデルの構築を行い、日本交通学会で報告、論文の投稿を行い、学会誌『交通学研究』に掲載されている。また、その他の論文に関しては大学紀要などにも投稿を行った。 さらには、土地利用に関しては、東日本大震災による津波被害を受けた地域においては集落ごとの高台移転などが進められている。これらの課題について取りまとめを行い、どのような土地利用・コミュニティの維持が図られるかについて研究を継続している。また、平成24年度は、インターネットによるアンケートの基盤の構築ならびに調査票の作成を行った。これらのシステム上に整備した内容は次年度以降も継続して利用し、適宜補足調査などを行う予定である。 このようなことから、平成24年度は次年度以降に必要不可欠な情報・データ等の収集がスムーズにできたといえる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究において、平成24年度は概ね順調に研究が行われたと認識している。 研究の成果については、査読付き論文(学会誌)に1編投稿し受理され刊行されている。さらには、学内の紀要などにも投稿し刊行されている。 平成24年度においては、概ね基礎的な資料収集や交通インフラ整備や地域間交流を踏まえた空間経済モデル構築に傾注した(この内容の一部については平成25年5月に報告予定である)。また、高知県、鳥取県における調査なども実施し、主要なデータを入手しており、現在、それらのデータの分析を行っている。 またWeb上でのアンケートについては、システム基盤の構築を行うとともにアンケートの設問も作成し、稼働させている。しかし、サンプル数がやや想定を下回ったことから今後も継続して行う予定にしている。以上の事より、当初の研究計画については概ね順調に進展していると判断される。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度においては、平成24年度に構築した理論モデルの拡張、データの分析などを行い、その結果を随時学会等で報告する予定である。また、今年度の主な研究の方法としては、①理論的な研究としては、都市・地域における行政の意思決定を考慮したモデルへの拡張並びに都市・地域における交通改善、交通計画が経済システムに与える影響や評価を行う予定である。また、平成24年度に得られた知見を基に現状に照らし合わせて新たな理論モデルを構築する。②実証的な研究領域として、人口、交通ネットワーク、交通流等を踏まえた「望ましい地域空間」について、それぞれの事例の研究を行う。これと並行して、平成25年度前半では、Webによるアンケートを本格的に稼働させ、後半ではアンケートの統計的・計量的分析を行う。これにより、どのような都市・地域政策が望まれるかを検証するものである。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成24年度から平成25年度に繰り越したのは、当初予定していた項目の内、北海道奥尻町へのヒアリング・データ収集について訪問先や調査項目について仔細に検討する必要があり、それを踏まえて延期することになったことによる。そのため、平成25年度の早い内に実施する予定し、平成25年度後半には、その結果を踏まえた研究を行う予定である。 一方、平成25年度以降に新たに請求する研究費については、当初の予定通りに使用するものである。
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