研究課題/領域番号 |
24560647
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研究機関 | 八戸学院大学 |
研究代表者 |
田村 正文 八戸学院大学, 公私立大学の部局等, 講師 (80449230)
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研究分担者 |
田村 亨 北海道大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (80163690)
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キーワード | 都市・地域計画 / 防災 / まちづくり / 交通 / 制度設計 / 観光 |
研究概要 |
平成25年度においては、以下の研究成果が挙げられた。 第一に、北海道奥尻島への調査を行い、北海道南西沖地震によって被害を被った当該地域における復興までのプロセス等の現地調査(ヒアリングならびにデータ等の収集)を行った。特に、北海道南西沖地震の津波による被害からの復旧・復興について、制度的側面を中心に調査を実施した。この調査で得られた内容を分析した結果については、平成26年度に発表を予定している。特に、北海道南西沖地震では、災害復旧に関する制度上の整備が必ずしも十分ではなく、この震災を契機に数々の制度的変更が災害地からの要望を基に変更されたという経緯があることから、東日本大震災と比較して、防災の観点からの都市・地域計画において制度設計の上で重要であると思われる。 第二に、平成25年5月および10月に学会(日本経済政策学会、日本交通学会)で報告を行った。前者においては、地域振興において特に交通部門が果たす役割について空間経済モデルを援用した理論的分析を中心に行い、後者においては東北地方を対象として物流に関して貨物流動調査を基に実証的な考察を行った。これらは、交通ネットワークの整備が都市・地域政策においてどのような役割を有するかを提言としてまとめるものである。同時に、学会報告に際してのコメント等を反映させ投稿を予定している。 最後に、平成25年9月に交通経済、都市経済の研究している研究者を招き、「地域経済・交通セミナー」を開催した。これを通じて、現在研究を行っている内容について報告することを通じて、質疑・コメントが得られ、本研究をより充実させる意味で有益な結果が得られた。このセミナーは、平成26年度も開催を予定している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の遂行においては、順調に進展していると思われる。平成25年度は、先述したように、北海道奥尻島での調査を8月に行い、かつて津波による災害から復興した地域のデータを入手することが出来、東日本大震災との比較が可能となった。また、学会での報告を行い、本研究における意見や情報の交換を学会活動を通じて行うことができた。 さらには、本学の紀要等に論文を投稿し、内1編は他の分野との共著であり、本研究の分野が学際的に多岐に渡ることを展開できたと思われる。 そのようなことから、ほぼ計画通りに遂行できたと判断される。
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度においては、本研究の最終年度であることから、当該年度においては以下の内容を計画している。 ①平成25年度に行った調査等の分析を継続させ、その結果を学会報告、論文投稿によって公表する。 ②防災の観点から、中山間地域における防災意識、住民の足の確保、高齢化地域の地域政策について、新たな公の観点から研究を進める。 ③平成24年度、平成25年度に実施した調査等において、不十分な点について、補足的調査の実施。 ④本研究の取りまとめとして最終報告書の作成を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
奥尻への補足調査を予定していたが、スケジュールの都合上、実施できなかったことから、平成26年度に持ち越したため。 平成26年度に補足調査を行う予定である。現在、スケジュールを調整しており、確定後速やかに実施する予定である(平成26年8月予定)。
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