研究課題/領域番号 |
24560651
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 大阪産業大学 |
研究代表者 |
波床 正敏 大阪産業大学, 工学部, 教授 (60278570)
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研究分担者 |
PERRY 史子 大阪産業大学, デザイン工学部, 教授 (10238719)
塚本 直幸 大阪産業大学, 人間環境学部, 教授 (20247878)
伊藤 雅 広島工業大学, 工学部, 准教授 (70273464)
吉川 耕司 大阪産業大学, 人間環境学部, 教授 (80220599)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | トランジットモール / 歩行者行動 / LRT / 現地調査 / シミュレーション |
研究概要 |
平成24年度は,海外のトランジットモールにおける歩行者の横断状況の現地調査を実施した.実施内容としては,トランジットモールの幅員等の測定,トランジットモールのLRTの通過状況(交通量や通過速度)の調査,歩行者の横断タイミングを調査するためのビデオ調査などをおこなった.また,調査によって得られた諸データおよび昨年度までに蓄積されてきたデータを数値化した.さらに数値化したデータに関する基礎的な分析をおこなった. 分析の途上で学会発表をおこなって意見を収集するとともに,分析を深化させた.平成24年度の調査および分析の結果,次のようなことがわかった.1)軌道を横断する場合は大幅に余裕をとって横断するのが基本,2)LRT接近時に時隔が小さいと横断件数が減少する,3)LRT接近時に時隔が4秒程度未満では基本的には横断しない,4)LRT通過直後は比較的積極的に歩行者が横断する,5)通過後であっても10秒程度は様子見する傾向がある,6)日本の繁華街の街路横断とトランジットモールの横断では行動が大きく違っている. また,分析を通じて,以下のような新たな調査すべき課題が見えてきた.a)大半の歩行者は軌道と並行に歩道上を歩いており,歩行者が軌道を横断する行動自体が比較的希であるように思われた.b)比較的幅員の広い歩道を備えたトランジットモールでは歩道の広さが歩行者の行動に影響している可能性がある. 平成25年度の研究では,街路構造の違いが歩行者行動に与える影響についても考慮した分析する必要があると考えられる.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予定通り海外現地調査を実施することができた.また,これまでに蓄積してきたデータを含めて(一部はまだ作業中だが)電子化して数値を分析することができた.分析の結果についても,これまで十分に知られていなかったトランジットモール上の歩行者の行動について新たな知見を得ることができた. 一方,データの電子化作業については一部がまだ作業中であり,電子化データが完成し次第,分析ケースを追加して結果の信頼性向上に努める必要がある.
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度の研究は概ね順調に推移したが,データの電子数値化作業の一部に遅れがあるので,引き続き作業をする必要がある.また,当初想定していなかった新たな分析課題(軌道と平行に移動する歩行者が多数あること)がわかってきたため,これを想定したデータ取得(海外における現地調査)をおこなうとともに,分析をおこなう必要がある. 年度後半をめどに,分析結果をもとにトランジットモールの歩行者やLRVの移動状況を再現するために,シミュレーションソフトを導入して稼働させることを考えている.そのため,年度なるべく早期にソフトウェアそのものを購入し,研究メンバ全員で意見交換をしながら操作等を習熟し,具体的な分析および状況再現に取り組んでゆく必要がある.
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次年度の研究費の使用計画 |
シミュレーションソフト(uc-win/road, advance, academic)の5ライセンス版の購入(約100万円あまり),海外現地調査(2度目,55万円程度×1名),データの数値化などの謝金などが本年度の主な使途となる見込.
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