アナベナ属は休眠細胞という形態をとることが知られているが,休眠細胞がアオコ形成に与える影響はほとんど評価されていない.本研究では最初に休眠細胞の発芽速度実験を行い,発芽の最適条件では13日間で発芽が完了すること,底泥からのリンの回帰量として休眠細胞由来のものがあることがわかった. 次に実験より求めた発芽速度をもとに休眠細胞の発芽予測モデルを構築し,ダム貯水池における発芽量を推定するとともに,現地の環境因子を解析することで,休眠細胞がアナベナによるアオコの形成に与える影響を評価した.その結果,休眠細胞の発芽は貯水位を高く保つことで抑えられる可能性が示唆された.
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