研究課題
本研究では大阪平野北部冷気流(略記N)と東部冷気流(略記E)を対象とし,気象観測データ分析(略記A)と現地観測(略記O),数値シミュレーション(略記S)により,これらの気流の夜間ヒートアイランドに及ぼす影響,発生条件,流動構造等について検討した.平成24年度においては,研究項目N-Aを行い,北部冷気流のこの地域の夜間気温に及ぼす影響,発生条件を明らかにした.また,研究項目N-Oを実施し,北部冷気流が地表面を這う密度流的な流動構造を有することを明らかにした.これらに加えて,研究項目E-Aにより,東部冷気流の夜間気温構造に及ぼす影響と気流の発生条件を明らかにした.平成25年度においては,研究項目E-Oの東部冷気流の現地観測とN-S,E-Sの再現計算を実施した.現地観測により,北部冷気流が夜間長時間にわたって連吹するのと異なり,東部冷気流が間欠的な流動であること,しかしながら,地表面を這う密度流的な構造を有することなどを明らかにした.最終年度においては,研究項目E-Oの東部冷気流の現地観測を継続させて,東寄りの生駒山地からの冷気流と南寄りの和泉山地方面からの冷気流が存在すること,これらの気流が当該地域の気温低下に貢献することなどを明らかにした.当初計画した研究項目の中で,研究項目N-S,E-Sの数値計算については,各冷気流を良好に再現することができす,今後の課題となった.
すべて 2014
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土木学会論文集G(環境)
巻: Vo.70, No.7 ページ: 381-388