夜間に山地から平野に向かって吹く風のことを山風と呼ぶ.本研究では大阪平野の夜間のヒートアイランド現象の対策として,周辺山地から流入する山風が利用可能であるかどうか検討した.大阪平野北側の北摂山地において発生する山風(北部冷気流)と東側の生駒山地あるいは南側の和泉山地において発生する山風(東部冷気流)を検討対象とした.アメダスデータなど気象観測データを分析することによって,これらの山風が山麓地域の気温を1~2℃程度に低下させること,地面を這うような密度流的な風速分布を持ち,100m程度の層厚と数m/s程度の風速を持つ規模の大きい気流であることなどがわかった.
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