研究課題/領域番号 |
24560671
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
中島 淳 立命館大学, 理工学部, 教授 (00309098)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 簡易セラミック膜 / 水浄化システム / 安定化池法 / 途上国 / バングラデシュ / 溜池 |
研究概要 |
課題A:安定化池と膜分離とのハイブリッド化の検討 アクリル水槽と人工光を用いた安定化池室内実験装置を作り、下水2次処理程度の水質に設定した原水による連続実験を行った。粘土土壌と米糠に水を加え混合して焼成した簡易セラミック膜を用いて、安定化池反応槽の混合液(藻類と細菌類が混合して浮遊)をポンプで吸引ろ過し処理水を得た。これまでに膜ろ過フラックスおよびBOD負荷量を変化させた実験を行っている。フラックスを0.1~0.4m/dに変化させた運転では、BOD除去性能はいずれも良好であったが、フラックスの増加によって目詰まりリスクが増加した。BOD負荷量を0.003~0.017kg/m3/dに変化させた運転では、BOD負荷量の増加に伴いpHとDOが低下し光合成の減少が示唆され、また硝化の進行が抑制された。 課題B:溜池のカテゴライズと使用実態の把握 バングラデシュ西部のクルナ市およびその近郊農村部を調査対象として、散在する溜池の形状・サイズ(深さを含む)、流入水の種類、水質、用途などの基礎データを収集した。2012年9月に雨期の実地調査を行い、106の溜池を生活用、排水用、農業用、漁業用、都市生活用の5カテゴリーに分類した。2013年3月には、そのうちの49の溜池について乾期の実地調査を実施した。雨期と比較して、生活用、排水用、都市生活用で著しい水量の減少がみられ、農業用では稲の耕作が行われていたが、漁業用の水量は一定であった。各溜池で得られた水質特性について、主成分分析等によって解析を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
課題A:安定化池と膜分離とのハイブリッド化の検討、課題B:溜池のカテゴライズと使用実態の把握のいずれについても、おおむね予定どおりに研究が進捗している。
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今後の研究の推進方策 |
課題A(安定化池と膜分離とのハイブリッド化の検討):安定化池室内実験装置を用いた実験については、滞留時間(HRT)を変化させた実験を実施する。さらに、これまでの運転条件を変化させた実験結果をまとめて、ハイブリッド化の適用範囲等を検討する。 課題B(溜池のカテゴライズと使用実態の把握):クルナ市近郊の溜池水について、24年度に得られた調査結果の解析をすすめる。さらに、同地域の溜池の水利用と浄化システム導入に関しての聞き取り調査を行い、その結果から浄化システムを導入した際の居住者の受入や利用可能性を検討する。 課題C:(溜池水浄化システムの提案):処理効果、導入可能性、持続可能性などから、導入可能な溜池水浄化システムについて検討する。
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次年度の研究費の使用計画 |
室内実験と水質調査に係る消耗品(ガラス器具等)および試薬を購入する(300千円) 研究成果の発表とバングラデシュでの調査のために旅費を使用する(1,000千円) 実験データの整理等のアルバイトで謝金を使用する(200千円) 間接経費(450千円)
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