研究課題/領域番号 |
24560672
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 崇城大学 |
研究代表者 |
上野 賢仁 崇城大学, 工学部, 教授 (50269106)
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研究分担者 |
田代 敬大 崇城大学, 工学部, 准教授 (20150154)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 都市熱環境 |
研究概要 |
都市内空間の熱環境緩和に適する地表面被覆について、現実の市街地を対象として観測・調査を実施し検討すると同時に、効果的な被覆について熱(温度等)及び水(湿度等)の挙動特性の評価を行うことを目的とし、これまで市街地の暑熱環境の調査を実施し要因分析を行い、同時に都市気候緩和が期待される地表面被覆の温度特性評価実験を行ってきた。本研究では更に発展させて都市内空間の熱環境緩和に有効な地表面被覆の具体的な特性の在り方について明示し、また、こうした地表面被覆による環境影響の低減効果について空調負荷軽減等の面から評価を試みる。 具体的には、(1) 都市内空間の暑熱環境調査と、(2) 都市地表面の被覆材料の温度特性評価を行い、①都市空間の熱環境の実態調査と周辺状況解析と両者の関連付けに基づく検討と、②都市地表面の被覆材料の熱(温度)及び水(湿度、蒸発、凝結)特性の評価を行う。 初年度と次年度はこれらを並行して実施する。(1)では周辺状況の検討のための高分解能の衛星リモートセンシング解析を実施し、精度良い分類を行い、信頼できる精度の確保を目指す。(2)では既往研究・報告等の方法と比較検討しながら実験することにより信頼できる結果を目指し、特に被覆材の材質及び形状が熱及び水の挙動に与える影響について詳細に検討する。最終年度は、都市内空間の熱環境実態調査の解析結果と、有効な被覆材料とを関連付けて、都市気候緩和効果を試算する。 以上の計画のもと初年度は、熊本市中心市街地の熱環境を評価するため、平成24年夏から秋に掛けて移動観測による簡易気象観測を実施し、この結果を昨年度の観測結果とともに、KONOS画像を参照して把握した都市地表面状態と比較した。また、同街区の中心部で気象観測を行った。これらの結果を使って熱環境と空調負荷との関係について解析し考察した。更に観測結果を使って空調負荷計算を試みた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成24年度計画は、(1) 都市内空間の熱環境実態調査と、(2) 都市地表面被覆の熱及び水の挙動特性評価を計画している。(1)は実施できたが、(2)については実験準備の段階であり、当初の計画と照らし合わせるとやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画では、初年度と次年度に、(1) 都市内空間の暑熱環境調査と、(2) 都市地表面の被覆材料の温度特性評価を行い、①都市空間の熱環境の実態調査と周辺状況解析と両者の関連付けに基づく検討と、②都市地表面の被覆材料の熱(温度)及び水(湿度、蒸発、凝結)特性の評価を行う計画であったが、(2)の実験について実施がやや遅れているのでこれを進展させる。並行して(1)の調査は引き続き、特に夏から秋にかけて実施する。(1)の1年間の調査結果の解析を進めるとともに、最終年度に向けて (2)の実験結果も関連付け、都市気候緩和効果の試算を試みる。 最終的には、都市内空間の熱環境実態調査結果と地表面被覆特性評価結果との関連付けと、都市内空間の熱環境緩和に適する地表面被覆の具体的提案を試みる。
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次年度の研究費の使用計画 |
「(1) 都市内空間の熱環境実態調査」の結果について研究分担者とともに解析する。そのためにコンピュータを購入する。また、「(2) 都市地表面被覆の熱及び水の挙動特性評価」の実験を進展させるため、計測用機器や実験消耗品、初年度購入しなかった衛星画像等に使用する予定である。他には、学会発表のための旅費を支出する予定である。
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