建築鋼構造の経済性を向上するために,柱にH形鋼を使用した柱梁接合部を考案した。角形鋼でなくH形鋼を柱に使用し、施工手順を簡略化することを期待した。柱フランジへの接合と柱ウェブへの接合の二体の実大試験体について、繰り返し載荷実験を実施したところ,角形鋼管柱への接合と遜色ない性能を示した。ただ、柱ウェブに接合した場合,初期剛性が10%小さく,塑性化後に柱ウェブと水平スチフナの変形が層間変形に大きく寄与した。有限要素法解析で実験結果を精度よく再現することに成功し、実験と解析の両方から、柱ウェブへの接合は,梁フランジと柱スチフナの突合せ溶接部が破断に起点となりやすいことが分かった。
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