本研究では、火災時における高力ボルト摩擦接合継手の耐力・変形・破断挙動を実験によって明らかにした。継手の高温時最大引張耐力を温度漸増実験から得て、7.5%/分のひずみ速度下の高温引張試験で得られた引張強さを用いてその耐力を評価できることを示した。継手の変形・破断挙動については、ボルトせん断破断型の場合に比べて、はしぬけ破断型(ボルト径に対して板厚が小さな継手)の方が火災時とその冷却過程での破断が生じくいことを定量的に示した。また上記の実験に基づき、火災時における継手の構成要素モデルを構築し、そのモデルを解析プログラムに組み込み、鋼骨組の火災時挙動に継手が与える影響を検討できるようになった。
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