研究課題/領域番号 |
24560684
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
釜江 克宏 京都大学, 原子炉実験所, 教授 (50161196)
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研究分担者 |
上林 宏敏 京都大学, 原子炉実験所, 准教授 (30300312)
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キーワード | 固体地球物理学 / 自然現象観測・予測 / 耐震 / 地震アレイ観測 / 空間変動 |
研究概要 |
平成24年度は浜岡原子力発電所の高密度強震アレイで観測された2009年駿河湾の地震(M6.5)による観測記録を用いた地震動空間変動特性について報告した。平成25年度は同アレイで上記の地震を含む5つの地震による記録から、地震毎の水平面上の観測点間における位相特性(コヒーレンス)及び振幅特性(スペクトル振幅比の変動率)を求めるとともに、地震動継続時間のうち、P波で構成される初動部(P波区間)、最大振幅を有する直達S波部(S波区間)及びコーダ波部(コーダ波区間)毎に上記各特性についても求めた。さらにS波区間におけるコヒーレンス及びスペクトル振幅比に基づき、周波数と距離を変数とする回帰式(コヒーレンス及び振幅比モデル)を導出した。 上記のS波区間におけるコヒーレンスモデルに適合する地震動空間変動のシミュレーション波形を求めた。さらに、その入力地震動による2009年駿河湾の地震時の原子炉建屋基礎応答を予測し、観測記録による同応答と比較検討を行い、地震動空間変動による並進応答の低減およびねじれ応答の励起が再現できた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当該研究においては、地盤系のみならず建屋系における多くの観測点の記録をデータベース化し、システマティックな解析処理が必要である。データベース化のための事前処理として、昨年度は埋設地震計の設置方位や異なる観測期間における記録の統一化などに時間を要したが、本年度は観測波形やそれらのスペクトル比およびコヒーレンスから、計測不良であると思われる特定チャンネルや地点の確認および補正に時間を要したため、当初予定していた進捗より、やや遅れることとなった。
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今後の研究の推進方策 |
コヒーレンスと振幅比に関するモデル化を新たに取得した地震記録についても実施し、それらの地震規模や震源距離、解析区間による違いを明らかにする。さらに、位相に加え、振幅特性の地震動空間変動を考慮した模擬地震動を作成し、建屋モデルの応答を予測し、観測記録との比較検討を引き続き平成26年度に行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成25年度において予定されていた数値計算が行えなかったため、当該計算のための計算機等の物品費を平成26年度へ繰り越すこととした。 前述した平成25年度の達成度の遅れに伴い、当初平成25年度に実施予定であった数値実験に基づく3次元波動場の不均質地下構造の地震動シミュレーションと建屋の地震応答解析を実施することができなかった。平成26年度はこれらの解析を実施する予定である。そのための計算機および解析データ記憶装置等の購入を予定する。さらに、研究発表や情報収集のための出張に加え論文作成や投稿のための費用を計上する。
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