研究課題
本研究は、これまで土の細粒分含有率と土の電気比抵抗(以後、比抵抗と呼ぶ)との関係を室内実験より明らかにし、土の比抵抗から土の細粒分含有率を推定する提案式を導き出すことができた。しかし、昨年度の段階では、実際に地下水が存在する場合や砂質地盤に対しては、実施するまでには至らなかった。平成26年度は、本研究の最終年度として、関東地方や中部地方の6地点において、標準貫入試験、スウェーデン式サウンディング試験(以後、SWS試験と呼ぶ)及びSWS試験孔を利用した電気検層実験を行った。そして、標準貫入試験時に採取した合計48種類の土の粒度分析を行った。一方、原位置の電気検層実験にあたっては、ロッドが回転してもケーブルを固定した状態で比抵抗が計測ができる機構を開発した。以上の方法によって得られた土の細粒分含有率と地下水の比抵抗及び土の比抵抗をもとに、室内実験によって得られた土の比抵抗と地下水の比抵抗から土の細粒分含有率を求める提案式の妥当性について検証を行った。その結果、原位置地盤における比抵抗の分布曲線は、砂含有量の大小を反映していることがわかり、室内実験で得られた土の比抵抗による細粒分含有率の推定式は、原位置のSWS試験孔の比抵抗にも十分適用されることが検証された。以上により、自然土の比抵抗と地下水の比抵抗が計測できれば、土の細粒分含有率の推定は可能であり、この結果をもとに土の判別を行ったところ、ほとんどの土の判別は一致した。これにより、本研究の目的は達成した。
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日本建築学会技術報告集
巻: 第21巻 ページ: 557~562
東海大学工学部紀要
巻: Vol.54, No.2 ページ: 15~22
Proceedings of the Twenty-fourth(2014) International Ocean and Polar Engineering Conference
巻: Vol.1 ページ: 723~730