最終年度の研究実績 (1)ダブルスキンの自然換気制御の数値計算法の提案:冬期に過熱状態となった場合のダブルスキン自然換気制御の数値計算法を提案し、気候に応じた性能調整の効果を評価可能とした。 (2)高性能窓システムをもつ建築の空調最大熱負荷解析:高性能窓システムを採用することにより、Low-E複層ガラス一般窓に対して空調設計用最大熱負荷がどの程度低減されるかを種々のケースについて数値計算し、傾向を把握した。 (3)高性能窓システムをもつ建築の空調年間熱負荷解析:(2)と同様に、高性能窓システムを採用することによる空調年間熱負荷の低減効果を数値計算し、最大熱負荷への効果とともに、傾向を把握し性能評価した。 研究期間全体の成果 (1)高性能ガラスファサードの事例調査:ダブルスキン、エアフローウィンドウ(AFW)、エアバリア窓を採用する建築事例の動向を調査し、ガラス種類を初めとする窓システムの仕様の傾向を把握した。 (2)窓システムの実用的熱性能式の提案:これまで性能評価が難しかったダブルスキンやAFWなどの窓システムの熱性能を表す理論式を誘導し、熱環境・エネルギーシミュレーションに組み込み可能な実用的な計算法として提案した。本提案式は、通気層をもつ屋根や外壁にも適用できる汎用的な式である。 (3)窓システムの熱特性値データベースの整備:ダブルスキン、AFWの熱性能の実用計算に必要となる熱特性値を整備し公表した。 (4)ダブルスキン、AFW建築の空調熱負荷低減効果の解明:種々のケースの数値解析により、ダブルスキン、AFWを採用することによる空最大熱負荷や空調年間熱負荷の低減効果の基本的な特性を明らかにした。
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