研究課題/領域番号 |
24560714
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
福代 和宏 山口大学, 大学院技術経営研究科, 教授 (30346572)
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キーワード | 省エネルギー / 太陽光発電 / 電力消費量 / 環境意識 |
研究概要 |
本研究は,次の二つの目的の下で実施されている。第一の目的は東日本大震災以降の日本社会における環境・エネルギー意識の変容を震災前の研究成果との比較によって明らかにすることである。第二の目的は,今述べたような環境・エネルギー意識の変容が一般世帯における省エネ投資(省エネ家電への転換,断熱材・二重サッシなどの家屋の改良,太陽光発電など再エネの導入)や省エネ活動(節電,冷暖房設定温度変更等),また補助金など環境施策への感度にどのような影響をもたらしているのかを明らかにすることである。 本研究では,近年急速に普及している住宅用太陽光発電に着目し,戸建住宅居住者世帯で太陽光発電を導入している世帯と導入していない世帯とを比較しながら上述の問題に取り組むこととした。 平成25年度は,平成24年度の継続的調査(ミクロ調査)としてネットリサーチによって,太陽光発電導入世帯と非導入世帯における震災前後の意識の変化,省エネ活動への取り組み,電力消費量の変化などを明らかにした。 調査結果は平成24年度のものとほぼ同じであった。省エネ・節電・環境意識に関して太陽光発電導入世帯と非導入世帯とを比較した場合には,太陽光発電導入世帯の方が震災前から節電・省エネを実施している世帯が多く,また震災後,再生可能エネルギーに関心を寄せている世帯が多いという違いが見られた。非導入世帯における再生可能エネルギーへの関心は平成24年度に比べて低下していることも明らかになった。 また,太陽光発電導入世帯について詳細調査を行うと,震災前には太陽光発電システムと同時に導入されることが多かったオール電化が,震災後には導入が避けられる傾向にあることがわかった。さらに,震災後,太陽光発電導入世帯では震災前に比べ買電量は大きく減少していることが明らかになった。非導入世帯でそれほど買電量の減少が見られないこととは対照的であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成25年度は計画通りにネットリサーチによる調査(ミクロ調査)の実施ができた。本研究では,近年急速に普及している住宅用太陽光発電に着目し,戸建住宅居住者世帯で太陽光発電を導入している世帯と導入していない世帯とを比較する手法をとっているが,ネットリサーチを利用して,太陽光発電導入世帯と非導入世帯それぞれ400世帯ずつを対象にアンケートを実施した。 ネットリサーチによって,太陽光発電導入世帯と非導入世帯における震災前後の意識の変化,省エネ活動への取り組み,電力消費量の変化などを明らかにできた。すなわち,太陽光発電導入世帯の方が震災前から節電・省エネを実施している世帯が多く,また震災後,再生可能エネルギーに関心を寄せている世帯が多いこと,また太陽光発電導入世帯では震災前に比べ震災後は買電量は大きく減少していること等,平成24年度調査結果と同様の結果が明らかになった。 以上のように,震災後の一般世帯における環境・エネルギー意識の変容,省エネ投資や省エネ活動への取り組みの変化を明らかにすることができ,おおむね順調に研究が進展したと考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度,平成25年度と同様に戸建住宅居住者世帯(太陽光発電導入世帯と非導入世帯)を対象とするアンケート調査を実施し,意識の経時的変化を検討することとする。 また,アンケート調査に因子分析やクラスター分析を加え,所得水準や環境意識の強弱が省エネ投資や省エネ行動に与える影響についての質的・量的な分析を実施する。また,平成24年度から平成26年度の研究成果をまとめ,学会等で発表する。
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次年度の研究費の使用計画 |
調査打ち合わせ等のための出張回数が予定よりも少なかったため,旅費に差額が生じた。 平成26年度は次年度使用額分を海外カンファレンスにおける論文発表の旅費に充当する予定である。
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