研究課題/領域番号 |
24560718
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
林 徹夫 九州大学, 総合理工学研究科(研究院), 教授 (40150502)
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研究分担者 |
野村 幸司 九州大学, 総合理工学研究科(研究院), 助教 (20311855)
伊藤 一秀 九州大学, 総合理工学研究科(研究院), 准教授 (20329220)
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キーワード | ライフサイクルアセスメント / 住宅 / 省エネルギー / 室温変動・熱負荷計算 / CFD |
研究概要 |
平成24年度の年次計画:1. 既往関連研究の調査、2.CFD連成のためのカップリングコントローラの開発、3.トータルエネルギーシミュレータのライフサイクル評価対応、4.建設資材、エネルギー機器、耐久財、消耗品の環境負荷原単位調査、5.実在住宅の環境負荷調査、は各項目とも「おおむね順調に進展している」と判断し、平成25年度は2.CFD連成のためのカップリングコントローラの開発、3.トータルエネルギーシミュレータのライフサイクル評価対応、4.建設資材、エネルギー機器、耐久財、消耗品の環境負荷原単位調査、5.実在住宅の環境負荷調査、6.多数室動的シミュレータの開発、7.統合シミュレータの実在住宅への適用と各種将来予測の実施に着手する計画であった。 各項目ごとに実績の概要を述べる。「CFD連成のためのカップリングコントローラの開発」では換気回路網計算を併用した熱回路網計算の計算時間間隔を1時間から15分に変更した。これにより、より詳細なカップリングが可能となった。但し、15分間隔の気象データが存在しないため、その作成方法に課題がのこる。「トータルエネルギーシミュレータ(TES)のライフサイクル評価対応」および「建設資材、エネルギー機器、耐久財、消耗品の環境負荷原単位調査」ではTESに太陽光発電および太陽熱温水器の計算ルーチンを追加し、その効果の試算を行った。これで、TESのライフサイクル評価対応はほぼ完了したと考える。「実在住宅の環境負荷調査」および「統合シミュレータの実在住宅への適用」では福島県の省エネ実験住宅のデータを1年間収録し、多数室動的シミュレータの温熱環境予測精度を確認した。また、某研修施設の地下ピットと全熱交換器による外気負荷削減効果について1年分の計測データを入手し、解析をおこなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成25年度の年次計画にあげた5.実在住宅の環境負荷調査の継続、6.多数室動的シミュレータの開発、7.統合シミュレータの実在住宅への適用と各種将来予測の実施は、ほぼ、当初の予定通りの進度であるため、「おおむね順調に進展している」と判断した。ただし、 「カップリングコントローラとトータルエネルギーシミュレータの多数室室温変動予測スキームとの連成において、汎用性を高めるためにプリ処理ならびにポスト処理部分はGUIによる操作(入出力)を指向する。」とした点については、プログラム作成に高度の専門知識を必要とするため、その対応を再検討中である。
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今後の研究の推進方策 |
申請書の研究計画によれば、平成26年度は7.統合シミュレータの実在住宅への適用と各種将来予測の実施、8.統合シミュレータのアジアの都市への適用と各種将来予測の実施、9.WEBによる情報公開を予定している。「統合シミュレータの実在住宅への適用」については、埼玉県浦和市に実在する通気工法住宅のデータ(温熱環境の実測を含む)を整備中である。「アジアの都市への適用」については、過去に実施した中国の都市(大連、済南)のデータを用いる予定である。また、「WEBによる情報公開」では、トータルエネルギーシミュレーター(TES)をWEBにて公開する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
予定した人件費・謝金の必要がなかったため。 翌年度の物品費に使用する。
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