研究課題/領域番号 |
24560718
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
林 徹夫 九州大学, 総合理工学研究科(研究院), 教授 (40150502)
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研究分担者 |
野村 幸司 九州大学, 総合理工学研究科(研究院), 助教 (20311855)
伊藤 一秀 九州大学, 総合理工学研究科(研究院), 准教授 (20329220)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 住宅 / 室温変動・熱負荷計算 / 省エネルギー / ライフサイクルアセスメント |
研究実績の概要 |
建築(住宅)の分野では建物運用時の二酸化炭素排出量(エネルギー消費量)を差し引きゼロとするゼロエミッションハウス(ゼロエネルギーハウス)が提案されている。しかし、住宅のライフサイクル(資材製造、建設、運用、補修、解体・廃棄)において、「運用」はその一部に過ぎず、住宅の二酸化炭素排出量(エネルギー消費量)はライフサイクル全期間での積分値として評価すべきである。この観点から申請者はゼロエミッションハウスで使用される要素技術を包含する、ライフサイクル環境負荷評価ツールの開発を目的とした。 以下、申請書の「研究実施計画」に従い、成果を列記する。CFD(計算流体力学)解析と熱換気回路網による多数室の動的連成解析では、当初、1時間毎の熱換気回路網計算で検討したが、計算精度に難点があり、15分毎の計算とした。「CFD連成のためのカップリングコントローラの開発」では、床下吹出空調を有するアリーナを対象とした検討を行った。15分間隔の熱換気回路網計算結果をCFDに入力してアリーナ内の気流分布を計算し、実測値と良好な一致をみることができた。しかし、CFDの計算時間に不満(長時間)が残る結果であった。「トータルエネルギーシミュレータ(TES)のライフサイクル評価対応」では、TESに全熱交換機、太陽光発電、太陽熱温水器の省エネルギー量算定ルーチンを追加すると共に、体感指標の計算も可能とした。「実在住宅の環境負荷調査」では中国山東省の実在住宅について、TESによる解析を行った(H26年度発表論文)。また、福島県に建設された省エネ住宅実験棟の性能予測を行い、各種要素技術のシミュレーターモジュールにフィードバックした。さらに、研修施設に採用された地下ピットと全熱交換器の併用による外気負荷削減効果について1年分の計測データと計算結果の照合を行い、その省エネルギー性能を検証した(H26年度学会発表)。
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