研究課題/領域番号 |
24560720
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
曽我 和弘 鹿児島大学, 理工学研究科, 准教授 (00336322)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 気候変動 / シナリオ / 将来気象データ / 気象データ / 建築環境 / 建築設備 / シミュレーション |
研究概要 |
本研究は、気候変動に適応できる建築・設備システムの計画や設計を支援することを目的として、将来の気候変動下における室内環境や建物のエネルギー消費およびCO2排出等を予測可能にするため、気象庁の気候変動シナリオを利用して、建築環境シミュレーションに利用可能な未来の時別将来気象データを開発するものである。本年度は、以下の研究課題に取り組んだ。 (1) 気象庁のA2シナリオに基づく気候変動シナリオを利用して、日別将来気象データファイルを年代別に作成した。気象官署とアメダスの4要素観測地点に対応した830の計算領域を対象に、5要素(気温、湿度、風速、降水量、雲量)の日別値を抽出して、これらを日別将来気象データファイルとして編集した。 (2)上記の日別将来気象データには、日射量と大気放射量が含まれていないので、気象庁の気候変動シナリオの気温、湿度、雲量、降水量の日別値から全天日射量の日別値を推定した。また、全天日射量を直散分離して、直達日射量と天空日射量の日別将来データを算定した。大気放射量については、気候変動シナリオの気温、湿度、雲量から大気放射量の日別値を推定した。以上の推定値を日別将来気象データファイルに補充し、全国830地点の9要素を収録した日別将来気象データを年代別に整備した。 (3)現在の時別気象観測データに対して、日別将来気象データから算出した将来の気象変化量に応じた平均値の移動や分散の伸縮変形を加えることで、時別の将来気象データを作成した。以上により、年代別に将来の9要素(気温、湿度、全天日射量、直達日射量、天空日射量、大気放射量、風速、降水量、雲量)を収録した時別将来気象データを作成した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
将来気象データの開発に使用する気候変動シナリオのうち、気象庁から入手できたデータは、A2シナリオに基づくデータである。他の排出シナリオに基づく気候変動シナリオについては、H24年度中にデータの入手ができなかった。入手を予定していた気象庁による最新の気候変動シナリオ(地球温暖化予測情報第8巻)は、H24年3月末に公開された。気象庁には、その最新の気候変動シナリオの提供を依頼中であり、そのデータが入手でき次第、最新の気候変動シナリオに基づく将来気象データの編集に着手する計画である。
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今後の研究の推進方策 |
H24年3月末に公開された気象庁の最新の気候変動シナリオを入手し、将来気象データの編集に着手する計画である。本データの入手は、当初、H24年度中を予定していたが、データ提供はH25年4月以降となったため、約2万5千円分のデータ記憶媒体の購入をH25年度に先送りすることになった。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度使用額の約2万5千円は、気象庁から最新の気候変動シナリオを入手次第、それを格納するためのデータ記憶媒体の購入に使用する計画である。
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