• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2012 年度 実施状況報告書

ゴムボールを用いた鉛直振動の測定及び評価方法に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 24560725
研究種目

基盤研究(C)

研究機関日本大学

研究代表者

冨田 隆太  日本大学, 理工学部, 助教 (40339255)

研究分担者 井上 勝夫  日本大学, 理工学部, 教授 (30102429)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード環境振動 / 鉛直振動 / ゴムボール / 振動感覚 / ランク評価
研究概要

本研究の目的は、住宅やオフィス内で発生する人の日常動作(歩行,小走り,飛び跳ね等)によって床に発生する体感振動(鉛直振動)を対象とした測定・評価方法を提案することである。具体的には、建築音響の分野で広く用いられているJIS A 1418-2 に規定されているゴムボールを環境振動の分野にも利用し、床に一定した衝撃入力を行い、床相互の相対的な評価が可能となる測定・評価方法を提案することである。さらに、それらを用いて、床の鉛直振動(体感振動)性能に対するランク表示を具体化することを目的としている。
平成24年度は、まず人の振動感覚に対応する振動応答物理量を明らかにすることを主な目的とし、実験的検討を行った。具体的な内容としては、RC造の床スラブを対象に、感覚評価実験と物理量測定を行った。感覚評価実験の項目としては、知覚、大きさ度合、気になり度合、不快度合とした。日本建築学会から刊行されている居住性能評価指針では、知覚のみを対象としているが、本研究では振動を知覚することと、振動が気になることや不快に思うこととは必ずしも同じ判断基準であるとは言えないと考え、今後振動性能をランク付けしていくことを想定し、気になり度合や不快度合などを評価項目に入れた。また、物理量測定では、感覚評価を行う受振点を中心に、振動レベル計を用いて、振動加速度の計測を行い、加速度最大値や振動レベル、振動暴露レベルなど感覚評価と対応する可能性のある物理量を算出した。その結果、歩行などのように、複数回の衝撃振動がおこる場合には、気になり度合や不快度合には暴露量が対応することを示した。また、振動加速度の時系列波形に着目すると、その立ち上がり特性の変化が振動感覚に影響を与えていることがわかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究の目的は、住宅やオフィス内で発生する人の日常動作(歩行,小走り,飛び跳ね等)によって床に発生する体感振動(鉛直振動)を対象とした測定・評価方法を提案することである。具体的には、建築音響の分野で広く用いられているJIS A 1418-2 に規定されているゴムボールを環境振動の分野にも利用し、床に一定した衝撃入力を行い、床相互の相対的な評価が可能となる測定・評価方法を提案することである。さらに、それらを用いて、床の鉛直振動(体感振動)性能に対するランク表示を具体化することを目的としている。
平成24年度は、研究実施計画に沿った研究計画通りに実施された。具体的には、振動感覚(知覚度合、大きさ度合、気になり度合、不快度合)と受振点での各種振動応答物理量の対応性について検討を行った。その結果、歩行などのように、複数回の衝撃振動がおこる場合には、気になり度合や不快度合には暴露量が対応することを示した。また、振動加速度の時系列波形に着目すると、その立ち上がり特性の変化が振動感覚に影響を与えていることがわかった。
また、予算執行もほぼ予定通りに行われた。

今後の研究の推進方策

本研究の目的である「ゴムボール衝撃による床スラブの鉛直振動(体感振動)性能の測定及び評価方法の提案」に向けて、今後は、まず平成24年度に得られた知見から、人の振動感覚と対応の良い物理量の提案と妥当性を検討する。具体的には、RC造を対象に、床版の減衰特性の違いなども含め、いくつかの建物でも、同様の実験を行い、提案する振動応答物理量の妥当性及び必要であれば修正を行う。これらを通して、本研究で提案する振動応答物理量の適用範囲を明確にする。また、床スラブの鉛直振動性能の測定方法の検討を行う。ここでは、建築物の部位性能としての床スラブの鉛直振動性能を把握するために、加振点及び測定点の数や位置に着目した検討を行い、その妥当性を明らかにする。さらに、本研究で提案する測定及び評価方法の有効な範囲を明確にし、性能ランクの提案を行う予定である。
また、鉄骨造の床スラブ及び木造床への適用、さらに床仕上げ構造の検討として乾式二重床構造への適用について、本研究で提案する物理量で対応できる範囲の検討も行っていきたい。

次年度の研究費の使用計画

平成24年度については、物品費はほぼ予定通り執行した。一方、旅費については、平成24年度については学内施設を利用して実施したために予算を執行しなかったため、25年度以降に状況に応じて執行する予定である。謝金についても、平成24年度は執行しなかったが、25年年度以降に状況に応じて執行する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2012

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 衝撃振動を対象とした衝撃回数及び間隔と振動感覚に関する検討2012

    • 著者名/発表者名
      冨田隆太、井上勝夫
    • 学会等名
      日本騒音制御工学会秋季研究発表会
    • 発表場所
      日本大学理工学部
    • 年月日
      20120905-20120906

URL: 

公開日: 2014-07-24  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi