研究課題/領域番号 |
24560729
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 高知工科大学 |
研究代表者 |
田島 昌樹 高知工科大学, 工学部, 准教授 (90391680)
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研究分担者 |
村田 さやか 地方独立行政法人北海道立総合研究機構, その他部局等, 研究員 (00462341)
堀 祐治 富山大学, 芸術文化学部, 准教授 (70432119)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 節電 / 省エネルギー / 室内環境 / 高齢者 / 乳幼児 |
研究概要 |
本研究は3年の期間で、節電要請下のとくに乳幼児や高齢者等の室内環境のコントロールが容易でない居住者が居住する住宅を対象として、実測及びアンケート調査により現状把握と課題の抽出を行い、健康性、室内環境及びエネルギー消費量についての改善の提案とその効果検証を通じて、室内環境の維持向上と省エネルギーの両立を達成するための一般向け、設計者向けの啓発資料を作成するものである。本年度の実施概要は以下となった。 (1)既往の研究および規基準に関する調査:乳幼児、高齢者が居住する住宅を中心として、室内環境およびエネルギー消費量に関する研究、および関連する規基準について国内外の文献調査を行い、把握されている課題について整理した。国内の規基準については、法律に関係する基準を、海外については室内環境に関する法や研究について調査を行った。 (2)実測対象の選定と実測:乳幼児・高齢者が居住する住宅を中心として、実測が可能な住宅の選定を行い、実測を開始した。測定対象は計画時に「詳細」と「簡易」とレベル分けをしていたが、全て連続測定(計画時の詳細条件)として全国で10件の測定を行った。 (3)アンケート調査:アンケート調査に関しては、計画時に二種類を計画しており、室内環境に関するもの、および消費電力に関係する設備機器に関するものである。設備機器に関するアンケート調査は、現在継続中で予定通り概ね500件が収集できると考えられる。室内環境については、保健所および医師の協力を仰ぎながら乳幼児・高齢者が居住する住宅を選定し実施するものであり、現時点では上記(2)の住宅居住者へ実施したヒアリング調査が終了している。この調査の分析に基づいて保健所等の協力を仰ぎながら件数を増やす予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
既往の研究や規基準の調査については順調に実施された。実測については連続的な測定を実施する住宅の数が予定よりも増えたため十分なサンプルが集まった。アンケート調査については実施途中であるが、予定数が収集できると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
今年度より、対策・改善効果の検証のための実測を行い、併せて 改善効果検証のためのアンケート・ヒアリングを行う。さらに数値実験による室内環境および省エネルギー性能の検討を経て、最終年度(再来年度)のとりまとめと一般向け、技術者向けの啓発資料の作成につなげる。
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次年度の研究費の使用計画 |
「対策・改善効果の検証のための実測」:対象住宅の中から、室内環境やエネルギー消費量に課題がある住宅を選出し、居住者に協力を依頼して室内環境の向上とエネルギー消費量の削減(もしくは適切な使用)方法を提案し、測定を実施し効果を検証する。 「改善効果検証のためのアンケート・ヒアリング調査」:対象住宅の中から、室内環境や設備の使用に問題意識をお持ちの住宅など選出し、居住者に協力を依頼して室内環境の向上とエネルギー消費量の削減(もしくは適切な使用)方法を提案し、実施して頂き、結果のヒアリング調査を行い効果の検証を行う。 「数値実験による室内環境および省エネルギー性能の検討」:住宅の断熱性能や換気性能および設備機器の水準を変化させて、実現される室内環境とエネルギー性能について、検討を行う。室内環境については、室間の温度差、輻射温度や相対湿度などについても詳細に検討を行い、健康への影響についても検討する。
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