研究課題/領域番号 |
24560732
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
木下 勇 千葉大学, 園芸学研究科, 教授 (80251148)
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キーワード | アイデンティティ / 持続可能性 / 災害復興 / まちづくり / ワークショップ / 中高校生 / ランドスケープ |
研究概要 |
下記の4点について持続可能性とアイデンティティの観点から復興まちづくりについて調査を行った。 1. 国内の各地域の災害復興計画のレビュー:被災地域の復興計画の内容をレビューし、地域アイデンティティに関する記述をリストアップし、計画内容の記述にどの程度地域アイデンティティの継承を位置づけているか全体像を把握した。 2. 対象地における地域アイデンティティの要素:陸前高田市、南三陸町における復興まちづくりにおいて、陸前高田は松、南三陸町では特産物のタコ、伝統芸能の鹿子躍り、津波を契機に国際交流のシンボルのモアイ像などが抽出されている。 3. 対象地域の復興まちづくりにおける地域アイデンティティ:陸前高田においては、統合された中学校において逃げ地図づくりワークショップを開催した。また南三陸町、石巻市では英国のユースラジオドラマの若者8名とスタッフ2名とともに被災地の中高校生とラジオドラマづくりを通して復興のビジョンを作成した。また中越地震から10年後の長岡市法末集落において限界集落からの危機脱却のためのワークショップを開催した。 4. 海外の事例における地域アイデンティティと持続可能性に関する調査 米国のカトリーナ台風(2005)災害後の復興計画、クライストチャーチの震災後の復興について調査をおこなった。貧富の差が表れている点、ボランティア、NPOの活躍と連携が持続可能性とアイデンティティに強く関係していることを把握した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
復興まちづくりは現場においては当初予想したように進展はしていないのが実状である。ワークショップの企画実施にはそのため現地の都合もあり、なかなか当初計画したようにいかない。アンケートも自治体の担当が激務に追われている中で頼みにくい所もあり、それら自治体と関係をとりながら進めている。
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今後の研究の推進方策 |
前半にアンケートを行い、また、具体的に相談を受けている、体制の流れから抜け落ちている、困っている地区の復興に向けてのワークショップ等で支援をしながら、持続可能性とアイデンティティを重視した復興まちづくりの有効性を検証したい。
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次年度の研究費の使用計画 |
被災地の復興状況が当初の予測より遅れていること、担当者は激務に追われていることからワークショップの企画が予想したように進まないこと。および、アンケート調査も平易な形に絞りこむことをねらい、定性的調査の後に定量で確認するべき項目を絞るために時間がかかったことによる。その分調査が遅れていて次年度にそのあたりを実施する予定である。 具体的に相談が来ている 南三陸町 戸倉地区でワークショップを実施する。 絞り込んだアンケート票にて被災地の全自治体にアンケートを配付し回収する。
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