• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2012 年度 実施状況報告書

エネルギー自立型都市の実現化手法の構築

研究課題

研究課題/領域番号 24560733
研究種目

基盤研究(C)

研究機関千葉大学

研究代表者

村木 美貴  千葉大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (00291352)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード低炭素型市街地 / 都市交通 / 土地利用規制 / エネルギー施設
研究概要

低炭素型市街地形成のために、英米調査を実施した。米国では特に自動車交通による低炭素型市街地形成のための行政の取り組みをオレゴン州を中心に把握した。特に、行政施策による排出量削減は人口集積の大きい、ポートランドメトロ都市圏とレーンカウンティの2地域で進められていた。広域行政が枠組みを提示し、それを実現する方法を市レベルが詳細に検討していた。特に、ポートランド都市圏では、メトロが100を超える交通起因の二酸化炭素削減を実現するプログラムを作り、その可能性を検討していた。また、カウンティレベルでの排出量削減目標達成のために、金曜日閉庁を実施し、金曜日分を月曜から木曜に振り分け週休3日を実現していた。一方、レーンカウンティは広域行政が存在しないことから、市との協力体制の構築が難しく、人口集積地区としてはメトロと同じでありながら、運用段階では難しいことが指摘された。
英国では、地方都市での低炭素型市街地形成を都市計画との連動でどのように実現しているか明らかにするために現地調査を実施した。特に、郊外に大規模住宅開発を行うエクセターでは、官民連携のタスクフォースが組織され、開発事業と連動した低炭素型市街地形成が実現していること、その際にパートナーとなる民間エネルギー会社と80年という長期契約が実現していることが明らかとなった。さらに、都心部でも新たな低炭素型市街地形成の取り組みが検討されており、北部ゲイツヘッドでも同様に、コンサルタントによる詳細分析の上に、都市に新たなエネルギー施設を導入、都市計画との連動で開発コントロールをしていくことが明らかとなった。英米では以上のように、都市計画との連動での低炭素型市街地形成が一般的になっていることが明らかとなった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初計画予定であった米国調査を実現した。並びに、2013年度実施予定の英国調査を一部行い、研究に深みをつけられたのが成果である。

今後の研究の推進方策

(1)エネルギー消費の削減
札幌市、福岡市、横浜市におけるエネルギー消費量(需要)をGISデータとパーソントリップ調査から推計、都市活動におけるエネルギー消費削減方法を、開発と移動の両面で明らかにする。そこでの課題は、ヒヤリング調査、文献調査から明らかにする。海外事例では、英国リバプール、バーミンガムを対象に、特に①地域での省エネ学習、スマートメーター等の導入、②改装時での省エネ化の推進など、新規事業だけではなく、既設建物での対応、③モビリティ・マネジメント、④公共交通サービスと料金低減化の方法、⑤土地利用と交通の連動方法を現地調査、ヒヤリング調査、文献調査から明らかにする。
(2)エネルギーの創出
削減目標を実現するためには、エネルギー消費量(需要)を消費削減方法の導入とエネルギーの創出で補うことが、エネルギー自立型都市には求められる。ここでは、前章の分析を受けて、新たなエネルギーシステムを導入した際に創出しうるエネルギー量の推計を行う。また、導入には、これまでも指摘されているプラントの設置、接続、導管の敷設に伴う地域スケールのエネルギー創出での課題、太陽光パネル等の個別建物で導入されやすい技術システム導入での課題についてヒヤリング調査、文献調査から明らかにする。海外調査では、対象都市の開発に伴うエネルギー創出方法について調査し、我が国との比較検討を行う。

次年度の研究費の使用計画

中心的に行う英国調査のための渡航費用、並びに政令指定都市の分析のためのデータ分析のアルバイト代等がその中心となる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2013

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] 低炭素型都市づくりに都市計画の果たす役割2013

    • 著者名/発表者名
      村木美貴
    • 雑誌名

      区画整理

      巻: 56-2 ページ: 6-10

URL: 

公開日: 2014-07-24  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi