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2012 年度 実施状況報告書

住工混在地区におけるエリアコンバージョンを通じた地域マネジメント手法に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 24560740
研究種目

基盤研究(C)

研究機関横浜国立大学

研究代表者

野原 卓  横浜国立大学, 都市イノベーション研究院, 准教授 (10361528)

研究分担者 川原 晋  首都大学東京, 都市環境科学研究科, 准教授 (10367047)
岡村 祐  首都大学東京, 都市環境科学研究科, 助教 (60535433)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワードエリアマネジメント / エリアコンバージョン / 住工混在 / シティプロモーション / 不動産
研究概要

本研究は、住工混在市街地の新たな市街地再生モデルを構築するために、現状の都市空間ストック(ハード・ソフト)及び産業構造の再編をマネジメントするための方法論を明らかにすることを目的とした研究であり、初年度である平成24年度は、以下の研究を行った。
1.アセットマネジメント事例調査に関しては、主に台湾(台北市)における歴史的資産を活用した再生拠点形成事例(URS:都市再生前線基地)調査を行った。上海市の産業計資産の再活用については、主に資料調査等を行った。
2.産業系エリアマネジメント事例調査としては、京都市夷川通りでの取組、東大阪市高井田地区での取組調査、大阪府の産業拠点・大阪市のデザインセンター(MEBIC)でのヒアリング調査に加え、岡山県西粟倉村「森の学校」における林業マネジメントの事例、台東区及び墨田区で行われているモノづくりを中心とした地域マネジメントについて、情報収集を行った。いずれも、地域産業を地域価値として維持しながら、地域経済や地域生活とどのように関係づけられるか、各自の工夫・方法論で検討されていることがわかった。
3.大田区住工共存地区におけるアセット実態調査としては、大田区内の住工併用型の不動産の概況調査を行った上で、大田区内にある工場跡物件の状況調査を行い、次年度以降、活用社会実験を行う上での状況確認を実施した。
4.エリアプロモーション予備調査としては、平成24年12月にエリアプロモーション社会実験として「大田オープンファクトリー」を実施し、来訪者の状況、参加工場へのフィードバック調査など、実施結果の分析を通して、エリアプロモーションの可能性について検証を行った。住工共存地区において、産業施設(工場等)と生活者、来街者との関係について、依然として高いニーズがある一方で、こうしたニーズを受け入れるためには、精緻な体制構築が必要であることもわかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

アセットマネジメント事例調査については、特に、予定していた上海市での実態・ヒアリング調査に関しては、国際社会情勢も考慮して実施せず、今回は台北市における資産再生活用調査にとどめた。また、横浜市における実態調査に関しても、関係主体との調整に課題を有し実施しなかったため、達成が遅れている。
一方で、産業系エリアマネジメント調査に関しては、当初の予定(東大阪市ヒアリング調査)に加えて、岡山県西粟倉村における取組みなど、新たな事例情報も得ることができたため、今後、再整理を行ったうえで、より広範な情報収集を行う予定である。
大田区のアセット状況把握調査に関しては、平成24年度より調査対象地区(下丸子・矢口地区)を中心として住工共存地区におけるアセットの状況調査を実施しているが、情報収集が遅れていること、および、これまでの調査結果の整理・分析が未達であるため、継続的に実施が必要である。
エリアプロモーション調査に関しては、社会実験としての「おおたオープンファオクトリー」を実施し、当日の状況モニタリング調査、アンケート調査等を基にした状況を確認することができた。

今後の研究の推進方策

今後に関しては、前年度の調査によって明らかになった、マネジメント事例調査の再整理と、大田区対象地区における実態調査、および、対象地区におけるアセットマネジメント・エリアプロモーションの社会実験を中心に推進してゆく予定である。
1)マネジメント事例調査に関しては、アセットマネジメント調査(産業系地区における不動産再活用調査)・産業系エリアマネジメント調査・およびマネジメント拠点に関する調査に関して、事例を再整理した上で、さらなる調査を進めてゆく。特に、マネジメントの仕組み・体制・地域との関係に着目した形で、再整理を進めてゆく。当初予定よりも産業を広くとらえることで、さらなる多様な取組を概観できる可能性が高いため、対象事例の再整理も行う。
2)対象地区におけるアセット地域実態調査については、継続的に推進し、アンケートやヒアリングも実施しながら、地域の状況を明らかにしてゆく。
3)エリアマネジメントのための実証実験に関して、大田区下丸子の対象物件において、ハード・ソフト両面から地域の住工共存地区のマネジメントを実施するための社会実験を推進してゆく。平成25年度前半に空間整備及び準備を行い、後半より、実際の実証実験により、エリアマネジメントの方法論についての検証を行う。また、エリアプロモーションの社会実験も連携して行うことで、より統合型のマネジメント方法論を検討する。

次年度の研究費の使用計画

平成24年度に予算執行については、中国におけるアセットマネジメント調査等が政治情勢も含めて実施できなかったこと、また、エリアマネジメント調査・状況把握調査における調査の進捗及び進め方が当初予定と変化していることにより、やや残額が生じた。
平成25年度においては、継続的なアセットマネジメント・エリアマネジメント事例調査に関する旅費の使用、対象地区のアセット実態調査及び分析に係る人件費に加えて、社会実験を行う上での人件費及び諸経費(空間準備費)としての使用を予定しているが、次年度繰越分に関しては、平成24年度には実施しきえれなかった、主にアセットマネジメントに関わる項目について、より重点的な調査を実施する予定であり、アセットマネジメント事例調査旅費、対象地区アセット調査(アンケート・実態調査)にかかる諸経費(謝金等)として使用する予定である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2013 2012

すべて 雑誌論文 (3件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 東京都大田区を対象とした大田クリエイティブタウン研究会(旧モノづくり観光研究会)の取り組み その32013

    • 著者名/発表者名
      岡村祐・川原晋・野原卓
    • 雑誌名

      観光科学研究

      巻: 第6号 ページ: 177-182

  • [雑誌論文] 中小工場集積地域におけるオープンファクトリーの立案プロセスと方法論構築の試み - 東京都大田区におけるモノづくりまちづくりの統合的アプローチによる地域活性化研究(1)2012

    • 著者名/発表者名
      山根一斗・岡村祐・野原卓・川原晋・杉原弥永子・井上翔太・佐藤圭太
    • 雑誌名

      日本建築学会大会学術講演梗概集

      巻: F-1巻 ページ: 399-400

  • [雑誌論文] モノづくりのまちからクリエイティブタウンへ ~大田区での取組み~2012

    • 著者名/発表者名
      野原卓・川原晋・岡村祐
    • 雑誌名

      2012年度日本建築学会大会都市計画部門パネルディスカッション資料

      巻: - ページ: 55-58

  • [図書] 大田モノ・まちBOOK20122012

    • 著者名/発表者名
      大田クリエイティブタウン研究会
    • 総ページ数
      57
    • 出版者
      大田観光協会

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公開日: 2014-07-24  

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