本研究は地方都市の地域拠点の位置づけ方針や実態を明らかにし、コンパクトな都市構造に向けた地域拠点の目標像と集約化の方策に対する知見を得ることを目的とする。得られた知見は以下の通りである。 (1)支所や駅が拠点の中心として位置づけられることが多いが、階層性を設定する都市は少なく、小売が中心で明確なエリアと階層性のある欧米の拠点像とは異なる。(2)人口密度が高いほど商店や公共施設は多い。一方で拠点の立地によらず医療・福祉機能に比べスーパー設置割合が低く、日常生活の利便性の向上が課題である。(3)少数ではあるが、公共施設再編エリアを定め地域拠点の中心とその他の公共施設による集約化の動きがみられた。
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