• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2013 年度 実施状況報告書

密集市街地における震災後の仮設市街地のマネジメントの技術基準に関する緊急研究

研究課題

研究課題/領域番号 24560744
研究機関三重大学

研究代表者

浅野 聡  三重大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (70231892)

キーワード仮設住宅 / 建設候補地 / 災害廃棄物 / 仮置場
研究概要

平成25年度の研究成果は、以下の通りである。
第一に前年度の研究成果を全体的に精査して、「公有地を対象とした仮設住宅の建設候補地選定に関するガイドラインの検討」と題した査読付論文をとりまとめ、日本都市計画学会の学術研究論文発表会にて発表した。
第二に前年度の研究成果において課題として上げられていた仮設住宅の建設候補地と災害廃棄物の仮置場の候補地との調整について検討し、国(環境省・国立環境研究所)や学会(廃棄物資源循環学会)による関連ガイドライン、被災県(岩手県・宮城県)の災害廃棄物処理計画を収集し、仮置場の選定基準をとりまとめた。そして仮設住宅の建設候補地の選定基準との比較分析を通じて、両者の候補地が重複しないように調整するための判断基準等を明らかにした。
第三に災害廃棄物の仮置場の選定のプロセスを考案し、仮設住宅の建設候補地選定フローの中に新たに組み込むことにより、前年度の研究成果である仮設住宅の建設候補地選定のガイドライン案の改良を行った。
第四に平成26年度の研究に向けて、平成25年度末に公表された三重県の新しい地震被害想定調査結果と三重県新地震・津波対策行動計画を三重県防災対策部より収集した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

第一に当初は最終年度に研究成果をとりまとめて学術雑誌へ投稿する予定だったが、仮設住宅の建設候補地の選定に関する技術基準のデータ収集、志摩市におけるケーススタディが想定以上に順調に進み、十分に有用な知見が得られたことから、(予定より1年早く)二年度目に日本都市計画学会の査読付論文としてとりまとめて投稿し、審査の結果、採択を受け、研究発表の実績を上げることが出来た。
第二に前年度の研究成果において課題として上げられていた災害廃棄物の仮置場に関して研究を進めるために、国や学会等による関連ガイドラインのデータ、被災県(岩手県・宮城県)における災害廃棄物処理計画のデータを予定通りに収集することが出来た。
第三に前年度に引き続き、三重県における防災関連情報の最新データ(新しい地震被害想定調査結果、三重県新地震・津波対策行動計画)の収集も予定通りに行うことが出来た。

今後の研究の推進方策

本研究で対象とする仮設市街地のマネジメントの技術基準は、①規模設定、②候補地区の選定基準、③計画基準、④マネジメント手法から成るが、平成24年度と平成25年度においては、主に①と②を対象に仮設市街地の建設候補地選定のガイドラインを考案して論文にとりまとめ、日本都市計画学会にて論文発表を行った。また考案したガイドラインの課題であった災害廃棄物の仮置場の候補地と調整するための判断基準(両者の候補地が重複する可能性のある選定基準の明確化)についても明らかにしてガイドラインに補足し、ガイドラインがより有用な技術基準となるように努めた。
平成26年度においては、第一に平成25年度末に三重県によって新しい地震被害想定が公表されたことを受けて、考案したガイドラインで使用する被害想定の位置づけについて見直しを行い、必要に応じてガイドラインにおける建設候補地選定フロー等の改良を行う。
第二に③計画基準、④マネジメント手法に関する検討を行う。検討にあたっては、東日本大震災後の新しい情報と知見を得るために、被災県(岩手県)における現地調査を行うとともに、日本都市計画学会や日本建築学会の委員会やシンポジウムに参加して情報収集を行う。
第三に上述の内容を踏まえて、研究を総括して仮設市街地のマネジメントの技術基準を構築して研究報告書を作成し、三重県や県内の市町の担当部局に対して研究報告書を送付して提言するとともに、三重大学主催の防災シンポジウムや講演会、みえ防災塾の講義の場等における発表を通じて、研究成果を広く一般公開する。

次年度の研究費の使用計画

平成25年度は、ほぼ予定通りに使用したが、謝金の支出が不要であったため、次年度への若干の繰り越し額が生じている。
物品費としては、研究を進めていく上で必要となる消耗品(ファイル・プリンター用トナー・コピー用紙など)を購入する。旅費としては、岩手県沿岸部の自治体を対象とした現地調査の実施にあたり支出する。研究協力者として同行する大学院生1名の旅費も支出する。また必要に応じて東京で開催される日本都市計画学会や日本建築学会の委員会やシンポジウムにおける情報収集にあたり支出する。謝金としては、研究協力者として収集したデータの入力や分析を担う大学院生1名に支出する。成果のとりまとめとしては、研究成果報告書の印刷費を支出する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2013

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 公有地を対象とした仮設住宅の建設候補地選定に関するガイドラインの検討2013

    • 著者名/発表者名
      浅野聡、広畑大輝
    • 雑誌名

      公益財団法人日本都市計画学会 都市計画論文集

      巻: Vol.48、No.3 ページ: 801、806

    • 査読あり
  • [学会発表] 公有地を対象とした仮設住宅の建設候補地選定に関するガイドラインの検討2013

    • 著者名/発表者名
      浅野聡
    • 学会等名
      公益財団法人日本都市計画学会 第48回学術研究論文発表会
    • 発表場所
      法政大学市ヶ谷田町校舎
    • 年月日
      20131109-20131110

URL: 

公開日: 2015-05-28  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi