地域施設の再編成が社会的問題となっている我が国においては,人口分布と近隣の建築ストックの状況を考慮した,地域施設建築ストックの評価手法が必要である.そこで本研究課題では,建築物の潜在価値を,利用者の利便性の変化によって評価する手法を提案した.建築物のうちいくつかに施設が最適配置されている時,建築物が除却され施設を最適配置しなおした後に,利便性がどれだけ低下するかを,除却された建築物の潜在価値の指標とした.利便性としては,利用率が距離減衰しない施設においては平均距離,距離減衰する施設においては期待確定効用あるいは消費者余剰を用いた.
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