研究課題/領域番号 |
24560753
|
研究機関 | 首都大学東京 |
研究代表者 |
角田 誠 首都大学東京, 都市環境科学研究科, 教授 (10180035)
|
キーワード | 住宅改善 / 居住者 / リフォーム / 専門工事業者 / リフォーム業者 / 住宅生産ネットワーク |
研究概要 |
本年度は、地域密着型の住宅改修支援技術として、新築住宅生産組織の一員である専門工事業者に対し地域密着ならではの業務内容や取り組みをアンケート・ヒアリング調査で明らかにした。 新興住宅地と古くからの住宅地が混在する八王子市と、新築住宅生産が顕著ではなく築年数を経た住宅が多く見られる神奈川県は秦野市を対象として、住宅改善を担う工務店・専門工事業やリフォーム専門会社に対して地域内での居住者に対する業務活動や業者間の組織編成および技術連携を明らかにした。両地域とも住宅改善のみを行っている業者は少なく、何らかの形で新築生産も行っており、広く自社の工事内容をアピールすることに重点を置いている。しかし、「何でもできます」的な無責任な受注は少なく、自らの得意とする業務内容に特化した受注形態が多く見られた。このことを受け、今後の多様なリフォームニーズに対応するためには他業者との連携が必須であるという認識が強く、そのための新たな組織形態としての試みを明らかにした。これらは、従来の新築住宅生産組織には見られない業務形態であり、これらの窓口となる専門業者は現在は存在しない。また、地域への密着度を高めるためには居住者との継続的な関係構築が有用であり、随時依頼窓口として機能するような業者間ネットワーク(強い拘束力を持たない)の存在が必要であることを示した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
業者アンケートの回答率が低いため、定量的な判断が難しい。 また地域選定も、全国的なリフォーム件数等の実態把握がなされていないため、説得力を持った選定とは言いがたい。
|
今後の研究の推進方策 |
最終年度として、住宅改善業者の結びつき方による新たな施工者グループが、前年度明らかにした住宅地マネジメントとして効果的に機能するか、検証を行う。 そのためにも、改善業者実態調査、地域密着を裏付ける団地内の住宅地マネジメント調査の対象数を増やすことが必要である。
|
次年度の研究費の使用計画 |
調査対象の地域選定に時間を要したため。 改善業者に対する追加アンケート調査に係る印刷代、郵送費、に充当する。
|