研究課題/領域番号 |
24560754
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
三輪 律江 横浜市立大学, 総合科学部, 准教授 (00397085)
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研究分担者 |
田中 稲子 横浜国立大学, その他の研究科, 准教授 (60345949)
稲垣 景子 横浜国立大学, その他の研究科, 助教 (20303076)
松橋 圭子 鎌倉女子大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (50710745)
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キーワード | 協働型まちづくり / 乳幼児 / 生活圏 / 地域資源 / 立地特性 / 地域コミュニティ |
研究概要 |
■ワークショップによるモデル手法開発と効果検証■2012年度に引き続き、横浜市青葉区2箇所の保育施設を対象として、保育士や地域住民らが一緒にまち歩きを行う「お散歩マップづくりのワークショップ」や講座を実施した。合同ワークショップ、講座、その成果や発見はニュースレターで近隣へ配信し、保育施設が抱える問題が地域に認識され地域が繋がるきっかけが提供が出来た、他の地域への波及といった効果が得られた。さらに地域との繋がる際の、認可保育所と家庭的保育といった施設規模による差違を改めて認識しつつにそれに対応する課題設定を明示した。 ■横浜市を対象とした調査■横浜市を対象に、保育施設等をGIS上で地理空間情報化した上で、用途地域や都市施設等と重ね合わせ空間分析を実施し、保育施設の立地特性や安全性について検討した。その上で、待機児童解消を目的として増設された施設にあたる平成23年4月以降に開所した保育施設を対象に地域資源でもある近隣地域および入居施設の住環境に関するアンケート調査を行い、建物形態によって保育士の満足度に差が生じていること等が分かった。 ■横浜市主要区在住親子への調査■横浜市青葉区、西区、金沢区の乳幼児を持つ親子へのアンケート調査を実施し、0歳児と3歳児での日常生活圏域の解明とともに、地域資源の活用具合と地域との人間関係についての示唆を示した。 ■東京都千代田区を対象とした調査■都心部での状況確認のため、東京都千代田区の保育施設(8箇所)を対象に、現地ヒアリング及び同行調査を行った。一口に「都心」といってもエリアにより地域資源には特徴の違いがみられ、下町エリアは住宅エリアに比べて身近な場所に自然や緑と触れ合える場所が少なく、公開空地や寺社、坂などを求めて比較的長い距離を移動しながら活動を行っており、同じ区内でも地域環境の違いが日常的な園外活動に大きな影響を及ぼしていることがわかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
継続したワークショップにより保育施設の施設規模や立地による地域との繋がり方の差異が具体的に明確になり、その打開策のモデルを提案していること、また東京都心も比較として調査対象に広げて調査研究を進めていること、が理由である。
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今後の研究の推進方策 |
■保育所と地域つながり力アップワークショップによるモデル手法開発と効果検証■昨年度把握した保育施設の施設規模による地域との繋がる際のアプローチの差違を踏まえ、各々、特に商業地域における小規模保育施設の横の繋がりの強化手法、住宅地域における認可保育施設の福祉避難所として位置づけ設立の可能性を探り、さらに効果検証を続け、横浜モデルの提案を目指す。 ■横浜市を対象とした保育施設の調査■昨年度実施したアンケート調査結果を踏まえながら、幼稚園も含めた追加アンケート調査、ヒアリング調査等の追加調査を行いながら保育施設の近隣の地域資源の状況と交流関係との関係について分析を進める。 ■横浜市の主要区を対象とした親子の外出と地域資源活用の実態把握■乳幼児の利用施設・経路の地理空間情報化を行い、乳幼児生活圏の現状とあり方を解明し、特に災害時における支援・受援ネットワーク形成の観点から検討する。 ■商業エリアに累積する保育施設の調査■昨年度の東京都都心および横浜市商業地域エリアなどの結果を踏まえ、できれば「商業エリア」等他の地域を対象に追加調査を行い「都心」における保育施設の園外活動の特性について分析を進める。 ■他都市研究■横浜市を客観的に位置づけるため、初年度実施の中部圏(名古屋市)に加え、関西圏の他の政令都市の乳幼児生活圏の基盤情報を整理する。
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次年度の研究費の使用計画 |
アンケート調査の配布方法が郵送ではなく直接配布にした等の予定変更があっったため。 今年度の追加調査、調査成果の発表に使用予定。
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