研究課題/領域番号 |
24560763
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 東京都市大学 |
研究代表者 |
勝又 英明 東京都市大学, 工学部, 教授 (00257106)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 寺院建築 / 寺院本堂 / 維持修繕 / 長期利用 / 伝統構法 / 防災拠点 |
研究概要 |
平成24年度は、北海道・東北地方(約7,973ヶ寺)から無作為に抽出した30%(2,388ヶ寺)の寺院を対象にしたアンケート調査を実施した。また、平成23年度に実施した九州・四国・中国地方の寺院への追加調査、東日本大震災で被害を受けた本堂の調査、災害拠点として利用された寺院の現地調査(東北地方と中部地方)ならびに、「本堂の長期利用」「防災拠点としての寺院の利用」「本堂の地震対策」「本堂の維持修繕」などのテーマ毎の現地調査や追加アンケート調査を実施した。調査の結果、東北地方と北海道へのアンケート調査では本堂の寿命や使用予定期間に大きな違いがあった。また、現地調査では東日本大震災により、古くても優れた大工技術で建てられた本堂の被害は少ない一方、新しくても倒壊しているケースもあった。さらに、津波による広域被害がきっかけとなり、寺院が防災拠点として様々な形で利用されたことから、地域の人々に開かれた寺院が今後、想定される大規模災害時に公的避難所を保管する役割として重要な役割を果たすことを示した。このように、これまでの日本全国の調査結果と合わせて、本堂の維持保全(「本堂の維持修繕」「本堂の耐震改修」「本堂の防災」)に関する実態ならびに、寺院を今後も安全安心に利用し続ける為に期待される様々な課題が明らかになりつつある。これら平成24年度の研究の成果は、速報として3月に建築学会関東支部で報告し、また8月に行われる建築学会大会にて発表する予定。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
北海道、東北地方の追加調査は平成25年度に実施する予定でしたが、平成24年度中に実施しました。その他は、概ね順調に進んでいます。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、「維持修繕」「長期利用」「防災」などのテーマ毎に現地調査を含めた追加調査を実施し、これまで得られた知見をさらに発展させる。
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次年度の研究費の使用計画 |
追加アンケートの印刷費、郵送料、返送費 現地調査の旅費 報告書の作成、報告書の郵送 研究発表会への参加費 研究発表への旅費 なお、前倒して実施した研究により、報告書の作成ならびに郵送費が不足した為、結果として残額(12,385円)を生じました。
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