研究実績の概要 |
地震や台風などの自然災害時に避難する際に、避難所で安心して過ごせることは重要である。特に犯罪からの安全確保策や女性のためのプライバシー確保策など避難所での具体的な方策が望まれている。 今まで得られた知見をまとめて、樋野公宏(東京大学)田中賢(日本福祉大学)、Richard H. Schneider(Professor emeritus, College of Design, Construction, and Planning, University of Florida)の連名で、都市計画系の国際ジャーナル誌(Journal of Architectural and Planning Research.(略称:JAPR))の査読論文にPlanning strategies to reduce fear of crime and increase privacy protection in evacuation shelters after the Great East Japan Earthquake: Survey results on evacuees’ concerns and recommended countermeasuresというタイトルで投稿した(2015年11月)。 内容は、東日本大震災により避難所生活を経験した300名に対して避難所生活での安全・安心やプライバシー確保についてのWebアンケート調査を実施した結果である。特に安全・安心に対する女性のニーズは高く、高齢者より若齢者が犯罪不安を感じていること。持家の者は賃貸居住者に比べて残してきた空き家を不安に感じる傾向にあること。避難所での犯罪遭遇不安と実施される対策には隔たりがあることなどが示された。本報告書提出の2016年5月初旬現在、採否の通知は来ていない。
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