・2014年度の研究は被災3年目の東北地方各県の現地調査を実施した。2012年度・2013年度には現存していた校舎の半数近くが取毀され、更地となっていた現況を把握した。 ・被災した東北地方各県の当該市町村の関係部局で、小学校の今後の再建計画についての聞取り調査を実施した。多くの小学校では再建にあたって統廃合が予定されており、その計画の問題点の把握を行なった。一例を挙げればスクールバスが多用されており、地域コとの関係から考えれば、多くの問題点が内包される。そのような計画案に対して、地域コミュニティならびに津波時の避難という観点から、より望ましい統廃合を提案した。 ・大正末期から昭和戦前期の北但馬・奥丹後など近畿地方北部の地震の復興計画による小学校の調査を行なった。現存校舎である峰山小学校(鉄筋コンクリート造)については現地調査を実施した。木造校舎については現存しないため、文献調査を実施した。 ・関西大風水害(室戸)(昭和9年)によって倒壊した校舎の復興校舎の現地調査を行なった。京都市内ならびに大阪府下の鉄筋コンクリート造校舎を主に調査した。京都市内では統廃合に伴い、多くの校舎が解体を間近にしており、校舎の建築調査に加えて校舎内に残されている文献資料などの調査を行ない、成果として複数の1次史料を発見した。また京都市小学校を支えた「元学区」という地域の事情を聞取り調査をおこない把握につとめた。 ・研究協力者として宇杉和夫氏に福島県・宮城県・岩手県の調査を共同で実施した。あわせて文献収集の実施を委ね、分析結果を得た。
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