近代以降現在に至るまでの期間、日本全国各地に起きた大災害と小学校校舎の関係を災害復興の観点から解明した。耐震耐火の鉄筋コンクリート構造の普及とともに、避難空間としての講堂兼体育館の設置の一般化が判明した。復興は一方で統廃合の契機となり、そのため地域コミュニティの再編が生じ、地域との関係が変化したことを検証した。 東日本大震災の被災地では被災小学校の解体前の悉皆調査を実施し、被災前の現況を把握し、復興校舎との比較を行なった。建築的に特筆されない校舎についても建築史の視点で位置付けを行なった。阪神大震災の被災地では震災後20年の現況を調査し、建替えの際の特質を浮上させ、共通項を抽出した。
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