研究課題/領域番号 |
24560775
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研究機関 | 神戸芸術工科大学 |
研究代表者 |
齊木 崇人 神戸芸術工科大学, 芸術工学研究科(研究院), 教授 (90195967)
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研究分担者 |
浦山 隆一 富山国際大学, 現代社会学部, 教授 (10460338)
渋谷 鎮明 中部大学, 国際関係学部, 教授 (60252748)
鎌田 誠史 有明工業高等専門学校, 建築学科, 准教授 (70512557)
上原 三知 信州大学, 農学部, 助教 (40412093)
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キーワード | 集落空間 / 農村計画 / リスクリダクション / 建築学 / 限界集落 |
研究概要 |
本研究は、日本の生きつづけてきた小規模集落(高齢化率40%以上、50 世帯以下)には、震災・災害に対する備え「リスクリダクション(危険低減)」の叡智があると仮説し、その仕組みと集落の空間構成を把握し、「リスクリダクション」の叡智を「営み」「場所 」「かたち」の関係性から明らかにすることを通して、小規模集落の「環境構築」の構造を明らかにする事を目的とする。 昨年度と同様に、「営み」「場所」「かたち」の「営み」を中心に兵庫県香美町高坂集落及び兵庫県上郡町皆坂(かいさか)集落の現地調査を行った。6月には、皆坂集落で懇談会を開催、集落の生活実態の調査を行った。7月、10月には、高坂集落伝統行事の現地調査を行い、「かたち」は、9月に皆坂集落の地形及び水系の現地調査を行い、11月に神戸芸術工科大学において、齊木崇人と研究協力者の橋本で、今後の高坂集落及び皆坂集落の生活実態調査と空間構成の調査の報告会と今後の研究の進め方について、意見交換を行った。「場所」について、東日本大震災で被害を受けた、岩手県両石市の調査を齊木崇人が行い、震災計画が集団移転をする集落のリスクリダクションの叡智を生かした復興計画であるかについて実態調査を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度と同様に、「営み」「場所」「かたち」の「営み」を中心に兵庫県香美町高坂集落及び兵庫県上郡町皆坂(かいさか)集落の現地調査を行った。6月には、皆坂集落で懇談会を開催、集落の生活実態の調査を行い、交通の課題、治安の問題、人口減少、伝統行事の継承問題といった、問題・課題が分かった。また、7月、10月には、高坂集落伝統行事の現地調査を行った。「かたち」は、9月に皆坂集落の地形及び水系の現地調査を行い、山に囲まれた集落の谷線の水系が通っており、山に芝刈りに行くための道や、休耕田、先人が残した炭焼き釜を調査する事ができた。11月に神戸芸術工科大学において、齊木崇人と研究協力者の橋本で、今後の高坂集落及び皆坂集落の生活実態調査と空間構成の調査の報告会と今後の研究の進め方について、意見交換を行い、中山間地域の集落において、水系と地形、伝統、生活が集落の空間構成に大きな意味をもたらしている事を確認した。また、その集落空間の構成を先人が残した叡智が残っている事を報告した。「場所」について、研究協力者の橋本が、平成25年6月から平成26年3月まで、継続して高坂集落及び皆坂集落のコミュニティ形成についての現地調査を行った。また、東日本大震災で被害を受けた、岩手県両石市の調査を齊木崇人が行い、震災計画が集落のリスクリダクションの叡智を生かした復興計画であるかについて実態調査を行い、安全と集落の伝統及びリスクリダクションの叡智との地域の葛藤を感じる事が出来た。 これらの調査結果を基に、中山間地域の集落がどのような空間構成原理を持ち、コミュニティが形成されているかを、現地調査、資料収集から考察を行い、まとめが順調に進んでいるといえる。
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度は、最終年度であるが引き続き日本の中山間地域の集落で実践している小規模集落の持続に取り組んでいる先行事例を対象に調査を進める。年度初めには昨年度の研究成果をもとに、研究方針と方法を検討する。先行事例の選定として、①集落全体で地域づくりに取り組んでいる②集落自治の機能がある③戦災・震災・災害に対する取り組みや情報の共有化に取り組んでいる以上の項目から選定し、現地調査・文献調査・聞き取り調査を行う。文献調査は前年度から継続して、研究関連の文献・資料を収集する。文献・資料の分析と前年度の研究成果を踏まえて、現地調査の選定を行う。現地調査・聞き取り調査は、8月に調査を行う。現地での研究会を行い、各々の研究状況の報告や情報交換、調査すべき内容の整理を行う。現地調査から「リスクリダクション(営み)」「空間構成(かたち)」「立地特性(場所)」の分析を行う。 本年度は最終年度として研究のまとめを行いながら進めていく。また、現地調査・聞き取り調査は丹波・播磨地域等も対象に行う予定である。年度初めには、前年度の研究成果をもとに、研究方法の検証と本年度の研究計画、各調査項目(テーマ)の妥当性を検討し、具体的な研究方針と方法を検討する。12 月からは研究成果をもとに、日本の環境・文化・生活の多様性と独創性を分析・比較しながら伝統的集落の「リスクリダクション」と「環境構築」を考究し、設定したテーマに沿って比較・分析を行う。2月には最終報告会を開催し、本研究のまとめを行う。分析結果は日本建築学会へ発表し、併せて成果の出版準備を行う。この成果は地元コミュニティ・市町村、集落研究者へ還元する。
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次年度の研究費の使用計画 |
本研究の対象地である、中山間地域の集落が多い為、調査等の日程に天候が大きく左右される。特に、兵庫県美方郡香美町高坂集落では、昨年より降雪量が多かったため、調査内容の変更が余儀なくされた。調査予定をしていた、高坂集落の水系調査及び山林の地形調査の実施が降雪の為延期された為、次年度使用額が生じた。 研究経費1,120、設備備品費200、消耗品費200、旅費400、人件費・謝金170、その他150。設備備品費200、・兵庫県の白地図( S=1/2,5000 ~S=1/5,0000)(1 式×50)(神戸芸術工科大学・土地利用図S=1/2,500~S=1/5,000)(1 式×50)(神戸芸術工科大学)・兵庫県農村史関係図書(10 冊×10)(神戸芸術工科大学)等、消耗品費200、文具一式、ファイル、ペン等、紙(コピー用紙等)、インク/トナー代、CD-R/Memory Stick旅費400、現地調査旅費集落持続に取り組んでいる集落( 現地調査・ヒアリング・資料収集等/ 交通費・宿泊費・日当:7 名× 7 日間)(8 月分調査)、人件費・謝金170、研究・調査補助(1名×7 日)資料整理・作図作業(2 名×2 ヶ月)、その他155、複写費、通信費コピー( カウンター料金等) 研究分担者への配分400、研究代表者への配分500
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