本研究課題では、近代以降に成立した「西洋建築史学」という学問が、同時代の建築理論、建築デザインと密接な関係性を有しており、西洋建築史研究が同時代の建築理論へと影響を与えたと同時に、同時代の建築デザインの方向性が建築史研究の方法論へと影響を与えてきたことを明らかにした。そこでの重要な研究成果のひとつとしてH.F.マルグレイヴ著『近代建築理論全史』の翻訳を行い、出版準備中である。 さらに、21世紀の現代における西洋建築史学に求められる方法論についても検討し、「構築と再利用の観点による西洋建築史学の再構築のための基礎研究」という新たな研究課題を提示した。
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