研究実績の概要 |
本研究「オリンピックを契機とした都市改造の分析ー東京・ソウル・北京の事例分析と国際比較」は、高度経済成長期にオリンピックを開催した東京・ソウル・北京を取り上げ、それぞれの都市におけるオリンピックを契機とした都市改造の計画・実施を明らかにしようとするもので、平成28年度は、北京のケーススタディを行った後、今まで行った3事例を比較して研究成果報告書をとりまとめた。 北京については、都市図・都市計画図といった1次資料の閲覧・入手が懇談であることから、現地での糖鎖・資料収集は断念し、これまでに入手できた第29回オリンピック(2008)立候補ファイルや2次資料(Beijing City Planning Commision ed., International Competition for Conceptual Planning and Design of Beijing Olympic Green & Wukesong Cultural and Sports Center, China Architecture & Building Press, 2008等)に基づいて、都市計画(特に緑地計画)とオリンピック会場計画との相関を分析した。第29回オリンピックの北京開催決定(2001)以降、北京では「北京市緑地系統計画]」(2002)で環状・放射緑地が明示されるとともに、「北京歴史文化名城保護計画」(2002)で「中軸線」の保護と発展が定められ、それらが北京城市総体規劃(2004)に盛り込まれた。でオリンピック・パークは放射緑地の一部をなす「北中軸線」北端部に計画されており、それが、後付けではあるが、上記計画で位置付けられたのである。 以上のような今年度の研究成果については、北京での踏査調査と1次資料の収集ができなかったこと、北京のケーススタディの一部を担う研究協力者が得られなかったことから、学術論文としては発表せず、研究成果報告書にまとめることとした。
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