研究課題/領域番号 |
24560789
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
伊藤 大介 東海大学, 国際文化学部, 教授 (60203147)
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キーワード | モダニズム建築 / 教会建築 / フィンランド / 地域性 |
研究概要 |
平成25年度の実施計画に照らして計画の遂行に努めたが、一部変更を余儀なくされた部分もあった。 収集済みの画像データの整理はほぼ予定通りの内容で進めることができたが、想定した以上にその整理・編集作業に時間がかかり、研究補助員の雇用時間が長くなった。 一方、ヘルシンキの国立建築博物館での図面資料等の継続調査、および検証対象とする10の教会建築のうち、平成24年度に取り組んだ4例(ヘルシンキ・テーレ地区の教会、タンペレのカレヴァ教会、ヘルシンキのテンペリアウキオ教会、ヘルシンキ・ミュールマキ地区の教会)を除く残りの6例(トゥルクの聖ミカエル教会、ナッキラの教会、カンノンコスキの教会、トゥルク公共墓地の復活礼拝堂、イマトラのヴオクセンニスカの教会、オタニエミ学生村の礼拝堂)の現地調査については、今年度は諸々の都合により実施を見送り、おもに調査済みの4例についての内容把握と分析に努めた。 20世紀モダニズム建築の大きな流れの中にフィンランドの事例の固有性を浮かび上がらせようとする当初からの研究の方向性を維持するためには、これら残りの6例の現地調査は不可欠である。年度遅れとなるがこれを平成26年度に実施したい。また、当初は想定していなかった点として、現地で入手できる基礎文献のうちいくつかは、今回の研究で参照することが必要であるとの確信を持つにいたった。そのため、それらの入手と読み込みを行った上で、最終的な研究のとりまとめに進んでゆきたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成24年度以来積み重ねてきた画像データ、および現地調査データは着々と分析作業へと利用を進めてきているものの、平成25年度に予定していた現地調査データが得られていないため。ただし、この遅れは平成26年度に回復することが可能な範囲であると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度の研究実績概要でも触れたとおり、平成26年度に現地調査を再び行い、残っている教会建築6例の現地調査を実施しつつ、計画当初は想定していなかった現地入手可能な研究文献や資料のいくつかの入手にも努めた上で、最終的な研究とりまとめを行ってゆきたい。
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次年度の研究費の使用計画 |
今回の研究計画で具体的な検証対象とする10の教会建築のうち、平成24年度に取り組んだ4例を除く残りの6例の現地調査を、平成25年度は諸々の都合により実施を見送ったため、主にその旅費相当分が未使用となった。ただし、この現地調査に関しては、一部が戸外での調査となるので、冬の積雪期よりも夏期に行うことが望ましいことが判明したことも、実施を見送った理由の1つとなっている。 上記理由に記載したとおり、平成25年度に見送った残りの現地調査を平成26年度に実施する予定である。時期を夏期に移すことにより調査の効率化が図れるが、旅費の総額は増えることが予想される。現在までの繰り越し額を、その旅費増額分に充てたい。
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