Alをドープしたアナターゼ型二酸化チタン単結晶の紫外光誘起ESR スペクトルには、Alの核スピンの影響を受けた超微細結合分裂hfsが観測され、80K以下の温度で紫外光照射を止めても、永続的に観測できる。ESRシグナルが永続化する温度で、紫外光を照射した後、暗所で試料温度を上昇させることで、2.05eV付近に輻射緩和発光が観測でき、光誘起永続化キャリアの再結合によるものと考えられる。通常の発光スペクトルは2.25eV付近に観測され、永続化キャリアの再結合発光のスペクトルとのピーク位置の違いは、永続化キャリアの再結合発光が主にAlに起因する不純物準位によるものと考えられる。
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