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2012 年度 実施状況報告書

微小反応器内で流動する疑似体液からのチタン上へのリン酸カルシウム系化合物の生成

研究課題

研究課題/領域番号 24560821
研究種目

基盤研究(C)

研究機関新潟大学

研究代表者

木村 勇雄  新潟大学, 自然科学系, 教授 (00169921)

研究分担者 田口 佳成  新潟大学, 自然科学系, 准教授 (30293202)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワードチタン / リン酸カルシウム / 化学工学
研究概要

1. 微小反応器の設計・製作 空間内部の高さを任意に設定することで空間体積を制御する反応器を設計し,製作した。内部にチタン板を設置し,その表面で疑似体液と接触する構造とした。疑似体液を供給する際の流動パターンを観察し,チタン板末端で乱流とならないようにした。
2. チタン板表面処理・固体析出条件の確立 チタン板表面を再現性よく湿式研磨するための治具を設計・製作した。汎用的で効果的な表面処理およびリン酸カルシウム(CaP)固体生成条件を文献調査により絞り込んだ。反応器内でCaP固体の生成を試み,処理条件を決定した。疑似体液としては,再現性と信頼性を考慮して市販のGBSSを用いた。
3. 静止場での固体生成操作 空間体積を変えた反応器にチタン板を設置し,疑似体液を充満させ,静止させた状態でCaP固体を生成させた。粉末X線回折による結晶相の同定,SEMによる形態の観察,EPMAによる元素面分析,ICP発光分光分析によるCaとPの定量などの解析を行い,空間の形態に関連付けた。
4.流動場での固体生成操作 疑似体液を連続的および間欠的に供給し,CaP固体生成の状況を評価した。装置内体積を変化させ,同様に影響を調査した。これらの条件が生成位置に影響することを見出した。
5. 流動特性評価 反応器内にトレーサ溶液をインパルス投入して分散数を求めて流動特性を解析した。レイノルズ数が増すにつれて分散数は大きくなり,Re = 1.5~5.5で最大となった。空間高さが高いほど大きいレイノルズ数で最大となった。さらにレイノルズ数を増すと分散数は小さくなり,ほぼ押し出し流れとなることを見出した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

計画全般にわたって目標は順調に達成できた。また,一部は次年度の計画分を前倒しで実施できた。一方,電気化学的評価の信頼性が確保できなかったので,次年度により詳細に検討する。

今後の研究の推進方策

1. 流動場での固体生成操作 様々な流動条件において固体生成を試みる。固体の生成量と生成位置に及ぼす流動条件の影響を検討する。
2. 撹拌場での固体生成操作 開放容器にチタン板を置き,撹拌機で疑似体液を強撹拌し,境膜厚さを極端に小さくした条件を模擬する。流動場でのCaP固体生成結果と比較する。
3. 界面特性評価 撹拌場におけるチタン板表面近傍の境膜内でのイオン濃度および物質移動を電気化学的手法により解析する。
4. 固体生成機構の推定 以上の結果に基づいて,流動場において固体が生成する機構の解明を試みる。

次年度の研究費の使用計画

次年度に使用する予定の研究費は平成25年3月の旅費として支出する。
平成25年度の支出計画
備品費 333千円(開放回路用チラー 333千円)
消耗品費 517千円(チタン板 100千円,薬品230千円,ガラス器具187千円)
旅費 290千円(国内学会 90千円。国際学会200千円)
その他 60千円(参加費等 60千円)

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 疑似体液からの化合物生成装置の作製と混合特性評価

    • 著者名/発表者名
      佐藤裕昭, 田口佳成, 木村勇雄
    • 学会等名
      化学工学会第78年会
    • 発表場所
      大阪大学(大阪府)
  • [学会発表] 制限空間内でのヒドロキシアパタイトの生成に及ぼす疑似体液間欠流通の影響

    • 著者名/発表者名
      佐藤裕昭, 田口佳成, 木村勇雄
    • 学会等名
      日本セラミックス協会2013年年会
    • 発表場所
      東京工業大学(東京都)

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公開日: 2014-07-24  

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