材料計算科学的手法を駆使することで、熱電特性を決定する電子特性と熱的特性の起源、そして同時に層状構造の熱力学的安定性の起源を明らかにした。NaxCoO2系化合物では層間距離が熱力学的安定性と共に電子特性と熱特性を大きく左右することが明らかになった。また、Ca3Co4O9系類似化合物では静的構造ミスフィットのみならず界面を跨いだ原子振動の動的干渉が熱伝導抑制を可能にしていることが明らかとなった。更にTinO2n-1系化合物では層間相互作用が強いものの電子特性と熱特性を担う層が異なることが明らかとなった。これらの理解に基づき新規材料設計指針を提案し、理論計算によりその有効性を実証した。
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