高い超伝導転移温度で注目を集めるカルシウム-黒鉛層間化合物(Ca-GIC)の特性を調べ、K-GIC等の従来から知られるGICと比較した。Ca-GICはK-GICよりもゼーベック係数が小さいなど金属的性質が強い。しかし、黒鉛結晶構造の乱れが大きいため、熱伝導率は低かった。また、生成過程で用いたリチウム(Li)が残存した場合、超伝導転移温度が低下することが判明した。 Ca-GICよりも高い超伝導転移温度が期待されるMg-GICの創製を試みたところ、ゼーベック係数測定より、極僅かにMg-GICが形成した兆候が観測された。しかし、構造変化等の明らかな変化は認められていない。
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