• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2012 年度 実施状況報告書

第一原理計算と実験の連携による強誘電体相転移における化学結合とソフトモードの研究

研究課題

研究課題/領域番号 24560833
研究種目

基盤研究(C)

研究機関一般財団法人ファインセラミックスセンター

研究代表者

森分 博紀  一般財団法人ファインセラミックスセンター, その他部局等, 研究員 (40450853)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード該当しない
研究概要

本課題は,強誘電体材料の巨大強誘電物性機能について,その原子レベルでの構造解析と機能発現メカニズムを解明することを目的とし,化学結合状態とソフトモードフォノン巨大強誘電体物性に着目して,高精度の第一原理計算と実験を組み合わせた包括的な研究を実施し,巨大な強誘電物性発現のメカニズムを解析,解明することを目的として研究活動を実施している.
提案者らは,本研究初年度である,平成24年度にTiペロブスカイト酸化物にフォーカスして,【第一原理計算によるTiペロブスカイト酸化物の化学結合状態,ソフトモードフォノン解析】,【大規模分子動力学シミュレーションソフトウエアの開発】,【マイクロラマン散乱・物性測定のための高品位試料の合成手法検討】の3点につき重点的に検討を行うことを計画し,実施した.
その結果,【大規模分子動力学シミュレーションソフトウエアの開発】,においては,古典分子動力学法に基づきシャルモデルを応用したポテンシャル開発を行った.BaTiO3をモデル材料として,その精度の検証を実施したところ,BaTiO3の温度による逐次相転移はほぼ再現できることが判明した.しかしながら,有限温度での物性値である誘電率は実験値を大幅に過小評価する課題があることが明らかになった.次年度以降にこの原因について引き続き解析を行い,より精度の高い大規模分子動力学シミュレーションソフトウエアの開発を目指す.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

【大規模分子動力学シミュレーションソフトウエアの開発】において当初は,BaTiO3の温度による逐次相転移を再現できたならば,有限温度での物性値である誘電率の温度依存性も定量的に再現できるものと想定していたが,実際には実験値を大幅に過小評価する結果となってしまっている.現在は,これらの原因の解明中である.

今後の研究の推進方策

提案者らは,本研究初年度である,平成24年度にTiペロブスカイト酸化物にフォーカスして,【第一原理計算によるTiペロブスカイト酸化物の化学結合状態,ソフトモードフォノン解析】,【大規模分子動力学シミュレーションソフトウエアの開発】,【マイクロラマン散乱・物性測定のための高品位試料の合成手法検討】の3点につき重点的に検討を行うことを計画し,実施した.
今年度も引き続き,【第一原理計算によるTiペロブスカイト酸化物の化学結合状態,ソフトモードフォノン解析】,【大規模分子動力学シミュレーションソフトウエアの開発】,【マイクロラマン散乱・物性測定のための高品位試料の合成手法検討】を実施するが,研究対象を非Tiぺロブスカイト物質に拡大して研究を実施する計画である.

次年度の研究費の使用計画

本提案の研究遂行において必要な大規模分子動力学計算,フォノン分散関係などを第一原理計算により決定するためのクラスタ計算装置,ソフトウエアについては,開発予定のものを除き,現在の所属研究室(JFCC,産総研)で既に有している.また,実験部分についても,高品位単結晶作成装置,酸素同位体置換装置,ラマン散乱測定装置,物性測定装置は既に連携研究者研究室(東工大)にて有しており,装置の購入は計画しておらず,本提案研究遂行に必要不可欠な,消耗品(プログラミング用ソフトウエア,データ保存用ハードディスク,実験用消耗品,単結晶試料,高純度試薬,光学部品)経費(旅費,投稿費,研究補助謝金)のみを申請していたが,本年度より,連携研究者である谷口が名古屋大学に転籍したのに伴い,研究環境整備,試料作成環境整備のための消耗品等についても追加購入する予定である.

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2012

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 第一原理計算を用いたMLCC機能元素の材料設計2012

    • 著者名/発表者名
      森分博紀
    • 雑誌名

      セラミックス

      巻: 47 ページ: 534-540

    • 査読あり
  • [雑誌論文] A First-Principles Study of the Ferroelectric Phase of AgNbO32012

    • 著者名/発表者名
      Hiroki Moriwake, Craig A. J. Fisher, Akihide Kuwabara, and Desheng Fu
    • 雑誌名

      Jpn. J. Appl. Phys.

      巻: 51 ページ: 09LE02

    • DOI

      10.1143/JJAP.51.09LE02

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 第一原理計算と高精度実験の連携による強誘電体材料研究2012

    • 著者名/発表者名
      森分博紀,谷口博基,橋本 保
    • 雑誌名

      応用物理

      巻: 81 ページ: 760-764

    • 査読あり
  • [学会発表] 第一原理計算から見た強誘電体結晶2012

    • 著者名/発表者名
      森分博紀
    • 学会等名
      日本学術振興会第161委員会 第78回研究会「エネルギーハーベスト」
    • 発表場所
      名古屋大学
    • 年月日
      20120921-20120921
    • 招待講演
  • [図書] 第一原理計算~構造最適化に向けた材料デバイス別事例集~2012

    • 著者名/発表者名
      森分博紀
    • 総ページ数
      342
    • 出版者
      情報機構

URL: 

公開日: 2014-07-24  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi