研究課題
本課題は,強誘電体材料の巨大強誘電物性機能について,その原子レベルでの構造解析と機能発現メカニズムを解明することを目的とし,化学結合状態とソフトモードフォノン巨大強誘電体物性に着目して,高精度の第一原理計算と実験を組み合わせた包括的な研究を実施し,巨大な強誘電物性発現のメカニズムを解析,解明することを目的として研究活動を実施している.提案者らは,本研究2年度である,平成25年度にTiペロブスカイト酸化物にフォーカスして,【第一原理計算によるTiペロブスカイト酸化物の化学結合状態,ソフトモードフォノン解析】,【大規模分子動力学シミュレーションソフトウエアの開発】,【マイクロラマン散乱・物性測定のための高品位試料の合成手法検討】の3点につき重点的に検討を行うことを計画し,実施した.その結果,【大規模分子動力学シミュレーションソフトウエアの開発】,においては,古典分子動力学法に基づきシャルモデルを応用したポテンシャル開発を行った.BaTiO3をモデル材料として,その精度の検証を実施したところ,BaTiO3の温度による逐次相転移はほぼ再現できることが判明した.しかしながら,有限温度での物性値である誘電率は実験値を大幅に過小評価する課題があることが明らかになった,この原因について現在解析中であるが,構築したTiの古典ポテンシャルに原因がある可能性が明らかになってきた.本結果については現在論文投稿中である.今年度にこの原因について引き続き解析を行い,より精度の高い大規模分子動力学シミュレーションソフトウエアの開発を目指す..
3: やや遅れている
【大規模分子動力学シミュレーションソフトウエアの開発】において当初は,BaTiO3の温度による逐次相転移を再現できたならば,有限温度での物性値である誘電率の温度依存性も定量的に再現できるものと想定していたが,実際には実験値を大幅に過小評価する結果となってしまっている.この原因について現在解析中であるが,構築したTiの古典ポテンシャルに原因がある可能性が明らかになってきた.今年度は,引き続きこれらの原因の解明を行う.
提案者らは,本研究2年度である,平成25年度にTiペロブスカイト酸化物にフォーカスして,【第一原理計算によるTiペロブスカイト酸化物の化学結合状態,ソフトモードフォノン解析】,【大規模分子動力学シミュレーションソフトウエアの開発】,【マイクロラマン散乱・物性測定のための高品位試料の合成手法検討】の3点につき重点的に検討を行うことを計画し,実施した.今年度も引き続き,【第一原理計算によるTiペロブスカイト酸化物の化学結合状態,ソフトモードフォノン解析】,【大規模分子動力学シミュレーションソフトウエアの開発】,【マイクロラマン散乱・物性測定のための高品位試料の合成手法検討】を実施するが,研究対象を非Tiぺロブスカイト物質に拡大して研究を実施する計画である.
若干研究が計画に対して遅れているためH26年度中に研究の遅れを取り戻し,研究費を全額使用予定
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (6件) (うち招待講演 1件)
Angew. Chem. Int. Ed.
巻: 52 ページ: 8088,8092
10.1002/anie.201302188
Japanese Journal of Applied Physics
巻: 52 ページ: 09KF08
10.7567/JJAP.52.09KF08