研究課題
本研究は 様々な官能基と付加反応する反応性基オキサゾリンに着目し、独自に新規反応性高分子ポリビニルオキサゾリンを合成し、ポリプロピレンをマトリックスとする炭素複合体の界面設計の基盤技術を確立することを目的にしている。本年度は、官能基を定量分析した炭素繊維にポリビニルオキサゾリンを反応修飾させ、無水マレイン酸変性ポリプロピレンをマトリックスとして、表面改質の力学物性への影響を定量的に検討した。材料設計が力学的物性に与える影響に関して、本研究で確立した手法により炭素繊維表面の官能基数の定量し、合成したポリビニルオキサゾリンの官能基数、無水マレイン酸の官能基数から定量的に検討した。ポリビニルオキサゾリンを修飾した炭素繊維、無水マレイン酸変性したポリプロピレン、ポリプロピレンを溶融混合させ、その後ホットプレスを用いて約150ミクロン程度のフィルムを作成し、それを引っ張り試験ができるように形状の型で打ち抜いて力学的試験を行った。ここで無水マレイン酸の量を定量的に変化させその影響に関して詳細を検討した。炭素繊維表面の官能基とすべて反応したポリビニルオキサゾリンの残存した官能基数が、無水マレイン酸官能基数より多い領域が最適な領域であることがわかった。界面設計がない場合30MPaの強度であったが、最適な界面設計により約2倍の60MPaの強度を達成することができた。(従来のエポキシ系の場合の約45MPa)マトリックスと炭素の両方の反応する、新規な反応性高分子を表面改質に用いて、最適な官能基設計を行う基盤技術を確立するこができた。
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Optical Materials Express
巻: 4(5) ページ: 934-943
10.1364/OME.4.000934