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2014 年度 実績報告書

キンク変形を巧みに活用した冷間圧延型長周期Mg合金板の作製とその機械的特性

研究課題

研究課題/領域番号 24560843
研究機関千葉大学

研究代表者

糸井 貴臣  千葉大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (50333670)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワードMg合金 / 長周期相 / キンク変形 / 室温圧延
研究実績の概要

今年度はこれまでの研究において室温での圧延が可能であった長周期相の室温変形に関わるキンク変形についてそのメカニズムを調べた。キンク変形のメカニズムを調べる効果的な手法としてEBSD解析がある。Mg85Ni6Y9(at.%)合金組成を軸としてNiまたはY量を調整して合金探査を行った結果、18Rおよび10H型の長周期相単相合金がそれぞれ作製できた。18R型Mg-Ni-Y長周期相についてEBSD分析を行った結果、鋳造またはその熱処理後において長周期相はランダムに配向しており、ほとんどの相内に<00018>軸まわりに回転したロンボヘドラル双晶が観察された。
近年、山崎らは Intragranular misorientation axis (IGMA)分析により長周期相に形成したキンク帯について、すべりにより誘発された格子の回転とその回転軸(テイラー軸)を決定し、実験的に得られるIGMA分布より、ある特定のすべり系のテイラー軸に沿う変形を生じるような支配的なすべり系を決定している。本研究においても室温圧延で形成されたキンク帯について同様にIGMA分析を行った。圧下率20%の18R型Mg-Ni-Y単相合金圧延材のIPFマップより、4から20°の角度差をもつ多数のキンク帯が観察された。キンク帯のIGMA分析の結果、〈0-110〉//〈1-100〉軸をテイラー軸とするキンク帯と、〈1-210〉軸をテイラー軸とするキンク帯に分類された。いずれのキンク帯も〈uvt0〉の範囲(u,v,tはu+v+t=0を満たす任意の実数)にプロットの集中が見られることから、主に底面〈a〉すべりにより形成されたキンク帯であると考えられる。また、室温にて50%圧延を施したMg-Ni-Y合金について803Kで7.2ksの熱処理を行った結果、数μmから30μm程度の結晶粒が観察され、室温での変形により蓄積されたひずみに起因した再結晶化が確認された。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2015 2014

すべて 学会発表 (5件) (うち招待講演 1件)

  • [学会発表] Mg-Ni-Y合金に生成するLPSO相の構造多形と組成の相関2015

    • 著者名/発表者名
      大角拓也,増井亮介,糸井貴臣,堀内寿晃,三浦誠司
    • 学会等名
      日本金属学会
    • 発表場所
      東京大学
    • 年月日
      2015-03-18 – 2015-03-20
  • [学会発表] Effect of Kink Deformation on Room Temperature Rollability in the Mg alloy2014

    • 著者名/発表者名
      T. Itoi
    • 学会等名
      The 6th Asian Symposium on Magnesium Alloys (ASMA6)
    • 発表場所
      重慶(中国)
    • 年月日
      2014-12-20 – 2014-12-23
    • 招待講演
  • [学会発表] 長周期相を有するMg-TM-Y(TM=遷移金属)合金の室温圧延特性と変形組織2014

    • 著者名/発表者名
      松本卓也,増井亮介,飯島賢大,糸井貴臣
    • 学会等名
      軽金属学会
    • 発表場所
      東京工業大学
    • 年月日
      2014-11-15 – 2014-11-16
  • [学会発表] Mg-Ni-Y合金に生成するLPSO相における構造多形の組成依存性2014

    • 著者名/発表者名
      増井亮 介,荒川信司,糸井 貴臣
    • 学会等名
      軽金属学会
    • 発表場所
      東京工業大学
    • 年月日
      2014-11-15 – 2014-11-15
  • [学会発表] 長周期型Mg-TM-Y(TM=遷移金属)合金の室温圧延特性2014

    • 著者名/発表者名
      松本卓也,増井亮介,飯島賢大,糸井貴臣
    • 学会等名
      日本塑性加工学会
    • 発表場所
      つくば国際会議場
    • 年月日
      2014-06-06 – 2014-06-08

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公開日: 2016-06-01  

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