研究課題/領域番号 |
24560847
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
湯川 宏 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (50293676)
|
研究分担者 |
松本 佳久 大分工業高等専門学校, 機械工学科, 教授 (40219522)
南部 智憲 鈴鹿工業高等専門学校, 材料工学科, 准教授 (10270274)
|
研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
キーワード | 水素透過膜 / 合金設計 / バナジウム合金 / タンタル合金 / 耐水素脆性 / 水素透過能 / 固溶水素濃度 / 合金効果 |
研究概要 |
本研究では、「ニオブ系水素透過合金の設計指針」を広く5族金属(V, Ta)へ展開し、耐水素脆性と水素透過能の向上を目指した5族金属系水素分離膜の新たな設計指針を得ることを目的とする。本年度は以下の成果を得た。 (1) 水素溶解特性に及す合金効果: V合金およびTa合金についてPCT測定を行い、温度、水素圧力と固溶水素濃度の関係および水素化特性に及ぼす合金効果を明らかにした。 (2) 水素脆性の定量評価と延性-脆性遷移水素濃度: 上記合金について、高温水素雰囲気中でのin-situ SP試験を系統的に行い、SP吸収エネルギーを固溶水素濃度の観点から解析した。得られた結果より、延性-脆性遷移水素濃度(DBTC)を決定した。VのDBTCに及ぼす合金元素の添加効果は小さいことが明らかになった。 (3)水素透過能試験と水素拡散に易動度の解析: 上記合金について、水素透過試験を系統的に行い、得られる水素透過速度を水素の化学ポテンシャルの観点から解析して、水素透過能と水素の拡散の易動度に及ぼす合金効果を定量評価した。これらの結果を総合的に評価し、合金元素の種類と添加量をパラメータとして、水素の溶解と拡散および水素透過能の基礎物性を評価した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
初年度に計画していた項目は順調に進展している。その上で、次年度に計画していた項目の一部を前倒しして実施しており、当初の計画以上に進展している。
|
今後の研究の推進方策 |
水素の溶解と拡散を整理した基礎物性データベースを構築する上で必要となる、水素溶解特性と水素透過能の基礎的物性に及す合金効果を系統的に調査する。
|
次年度の研究費の使用計画 |
物品費として、マスフローメーター、高純度金属原料、サンプルセル、配管継ぎ手および高純度ガスなどの必要な物品を購入を計画している。 情報収集ならびに成果発表の為の旅費を予定している。 また、実験補助およびデータ整理の為の謝金に使用する。 その他、学会誌投稿料などに使用する。
|