研究課題/領域番号 |
24560862
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
永井 一清 明治大学, 理工学部, 教授 (40350269)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 分離膜 / In Situ法 / 二酸化炭素分離 / 高効率高分離 / POSS / ATRP / ポリイミド / 温室効果ガス分離 |
研究概要 |
本研究は、温室効果ガスである二酸化炭素を選択的に吸着膜分離する有機無機ハイブリット膜を創製し、その吸着膜分離性能の最適化を行うことを目的とする。高分子中に吸着微粒子を分散させる従来技術と異なり、単位体積あたりの吸着表面積を増加させるために、In Situ法で高分子中に分子サイズレベルの吸着部位(カーボン被覆Polyhedral oligomeric silsesquioxane (POSS))を形成させようというものである。そのために、POSS 構造を側鎖に有するポリメタクリル酸とポリイミドを基本単位として、ミクロ相分離させずに各成分を均一分散させた膜を調製した後に、メタクリル酸部位だけを選択的に炭化させて、カーボン被覆POSSを形成させることを特徴とする。本年度は、セグメント鎖長の異なるポリイミド・POSS基含有ポリメタクリル酸ブロックコポリマーの合成、均一分散構造の評価およびIn Situ法による選択的炭化方法の確立を目指した。 まず、ポリイミドマクロイニチエーターとPOSS基含有ポリメタクリル酸セグメントのセグメント鎖長を変えたブロックコポリマーをATRP法で合成した。この化学構造は1H-NMR, 13C-NMR, FTIRおよびGPCを用いて目的物が合成できていることを確認した。そして、溶剤キャスト法により生成物を膜状にした後、In Situ法でメタクリル酸部位だけを効率的かつ選択的に炭化する条件を研究した。セグメント鎖長により製膜後の膜強度が異なることが明らかになったため、本研究の目的に見合う強度を持つセグメント鎖長を選定した。生成物の膜に対して炭化温度と化学構造との関係を明らかにして、CO2吸着分離特性に有効な選択的炭化方法の確立を目指すため、TGAの熱重量減少の挙動を研究し炭化温度の検討データを得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画通りに順調に実施することができた。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度と同様の方針で研究を進めていくが、前年度で得られた実験結果を考察して、「ポリイミド・POSS基含有ポリメタクリル酸ブロックコポリマー」のPOSS成分の置換基を代えて炭化実験を行い、最適な置換基の化学構造を決定して、CO2吸着膜分離特性を有する材料創製方法を確立する。そして得られた膜を用いたCO2の選択的吸着膜分離特性の解明と最適化を目指す。CO2の固定発生源の代表的な例として火力発電所があるが、ここからの排気ガス中には、CO2が約15%含まれる。残りのガス成分は空気である。そこで、CO2と窒素(N2)および酸素(O2)との選択的吸着膜分離性を測定評価する。CO2/O2、CO2/ N2の分離係数も決定し、空気成分のO2とN2のどちらが分離に影響を与えているのか判定する。
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次年度の研究費の使用計画 |
該当なし
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