厚さ数μmのシート状アパタイト(Ap)を歯質表面に貼り付けることにより、齲蝕の発生を劇的に抑えることができる、歯科用新素材を創出することを目的として、「表面が齲蝕しにくい高結晶性フッ化アパタイト(F-Ap)、裏面が歯質に結合しやすい低結晶性ハイドロキシアパタイト(H-Ap)」の構造を有する、「フッ素含有率・結晶性傾斜型F-Ap / H-Apシート」の作製法の検討を行った。パルスレーザーデポジション法の成膜条件を最適化した結果、得られた高結晶F-Ap膜はOH基を含まず、pHが5以下まで耐酸性を持つことが示された。これを、従来開発したH-Ap作製法と組み合わせ、傾斜構造を実現できることを示した。
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