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2012 年度 実施状況報告書

再生可能資源からなる新規環状配位錯体

研究課題

研究課題/領域番号 24560867
研究種目

基盤研究(C)

研究機関独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構

研究代表者

亀山 眞由美  独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 食品総合研究所食品分析研究領域, 上席研究員 (80353994)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード環状配位錯体
研究概要

本課題は、マンニトールとホウ酸、ユウロピウムの各水溶液を中性条件下で混和することにより自発的に形成する配位錯体 [(Man-B)3-Eu] を基に、糖アルコール、ホウ素、希土類で構成される安全性の高い水溶性蛍光錯体の開発に向けて、基礎的知見を得ることを目的としている。
H24年度は、マンニトール以外の糖(アルコール)を用いた場合の配位錯体の生成と、配位錯体 [(Man-B)3-Eu] の精製条件の検討を行った。
マンニトールの代わりにマンニトールの異性体であるD-イジトール、炭素鎖が1つ短いキシリトール、2つ短いD-トレイトール並びに五炭糖のD-アラビノースを用い、配位錯体の形成の有無を検討した。その結果、D-イジトールとキシリトールでは、マンニトールを用いた場合のような環構造を有する配位錯体の形成は認められず、代わりに糖アルコール3分子とホウ素2つにユーロピウムが付加したイオン[(Idi)x3+B x2+Eu]+、[(Xyl)x3+B x2+Eu]+が主生成物として観測された。D-トレイトールでは生成物を観測できなかった。一方、D-アラビノースはマンニトールと同様の環構造を有する配位錯体[(Ara-B)3-Eu]を形成した。
配位錯体 [(Man-B)3-Eu]のHPLCによる精製については、低分子分画用のゲル濾過カラムにより分離できることが確認されたため、これについて検討を行った。タンパク質等の分離に適用される溶離条件(0.2 M NaCl 含有0.1 Mリン酸緩衝液)でよい分離が得られたため、調製した試料溶液からの配位錯体の分取を試みた。分画した試料を凍結乾燥により濃縮後HPLCで分析したところ、配位錯体の保持時間にピークが観測されなかった。高濃度の塩の共存により錯体構造が維持されなくなったことが原因と考えられたため、塩濃度を下げて検討を続けている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

年度内に配位錯体 [(Man-B)3-Eu]の精製試料を得られなかったため。

今後の研究の推進方策

配位錯体 [(Man-B)3-Eu]のHPLCによる精製については、塩濃度を下げた条件で検討を行うとともに、フィルターの利用等によりH24に引き続き精製を進める。精製した配位錯体[(Man-B)3-Eu] の構造解析については、計画通り質量分析法と核磁気共鳴分光法により解析し、必要に応じて各種機器分析法を用いて立体構造を検討する。

次年度の研究費の使用計画

本研究課題の推進のため、次年度の研究費は、交付申請時の計画どおり使用する。なお、次年度使用額 49,049円 は、研究費を効率的に使用して発生した残額であり、次年度に請求する研究費と合わせて研究計画遂行のために使用する。

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公開日: 2014-07-24  

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